土曜日には私たちのテニスクラブでは特別の会をもった。午後の一時から五時までテニスをやり、その夕方からバーべキューパーティである。テニス仲間のK弁護士が企画されたのだが、テニスそのものは私はあまり上手ではなく戦績は負けがこんだ。
それはともかくもパーティで印象に残ったのは税理士のSさんと弁護士のKさんとが60歳で仕事を止めたいという話であった(彼らはわたしよりおよそ一回り年下だから56、7歳であろうか)。彼らは人生とは何かを考えたいというような気持ちの強い人たちであり、お酒にも強くヨットとか車での旅とか趣味をお持ちの方である。一方私は人生とは何かというようなことは考えるタイプではなく、初等的な数学のe-Learningのコンテンツをつくることをこれからの人生の仕事と考えている。もちろん、そんな内容は言わなかったが、そういう違いはある。
別に人生を旅に生きようと趣味に生きようとそれはかまわない。他人が否定をするようなことではないが、そういう人が現にいるのだということを知って人間ってまんざら捨てた物でもないと思ったことであった。
今朝になって妻にいきさつを話したら、「お二人ともお酒が好きだしね」とまったく理解をしていたのには驚いた。長生きをしたいとも思わない人たちであり、人生を恬淡と生きている。私とは少し違う人生のあり方を聞いたのは彼らがこれからを実際にどうするかとは別に興味深いことである。