昨日、帰宅したときに郵便受けを覗いたら、一枚のはがきが来ていた。
ちらっと見たところ友人の数学者のNさんからきた暑中見舞いかと思ったが、妻に読んでもらったら、私たちが属している、ある団体のブロック長をされていた、若者が亡くなって十回忌が8月4日だったという。
そのお母さんからのはがきであった。つい先日のことのように思うが、そんなに年数が経ったとは思わなかった。
その若者は学部は違うが、私の大学の後輩になる方で、もし生きておられれば、ノンフィクションライターとして活躍をされていたかもしれない。
惜しい人を亡くしたと今でも思っている。1周忌の前だったか5月の休みだったかに私たち夫婦でお墓参りに行ったことがあるが、そのときにそのお母さんとはもちろんご一緒したのだが、たまたま若い女性が彼の1周忌の機会だったとかいうことで、お墓参りに来られていた。
どういう方だったか詳しいことは何も聞かなかったが、何らかのお知り合いであったらしい。
人柄が穏やかでやさしい彼のことだから、昔の恋人であったのかもしれないが、そういう詮索をするのはいまさら野暮であろう。
ちょうど桜が散るころであったと思うので、1周忌には数か月早かったとは思うのだが、記憶がもうはっきりしない。
こうやって、人の生活は続いていく。はがきをくださった、このおかあさんにも私たちにも、みなの人にひとしく。