病院が歴史的には宗教施設としてできたものではないかという話を先日聞いた。
これは香川県の高松市であった、徳島科学史研究会の講演で聞いたことである。イスラム圏やキリスト教圏ではそれぞれモスクや修道院に病院が併設されているという。
ヨーッロッパの修道院ではビールとかワインを醸造しているものだということは知っていたが、新たに意外な事実を知った。さらに、修道院が学芸や技術の蓄積した場所であることは映画「バラの名前」などからも窺い知ることができたけれども。
そのような昔の病院を訪ねてレポートをしている人が先日の土曜日に講演をされた。ただ、日本では仏教が宗教としては多数派を占めるが、仏教の寺院が病院になった例はあまりないとのことであった。
やはり、宗教は人の心とか魂を救うところだから、その延長としての人の体の病をケアするということだったのでしょうかと質問したら、多分そうだろうというような答えであった。
それとモスクや修道院が病院を兼ねていたのみならず、困窮していた人を助ける貧窮院を兼ねていたらしい。
この人、石田純郎さんは福山市の介護施設の医師をされている方であるが、現在病院施設の撮影の旅行に行かれているらしい。このレポートは月刊雑誌『病院』に「世界病院史探訪」として連載されている。写真がきれいなのが特徴である。
世の中には奇特な方が居られると感心をしている。