ベクトル代数の公式はLevi-Civitaの記号を用いて求めるというのが、私の年来の主張であった(注)。
しかし、その必要はないことをマジナウとマーフィーの「物理学と化学のための数学」 I (共立全書)から知った。
この書によると大切なのはベクトルのスカラー三重積とベクトル三重積とそれらのベクトルを交換したときに成り立つ等式である。
この基本を身につければ、後は4個以上のベクトルの積が出てきたときにはその中のベクトル積を何か一つのベクトルとして置き換えてから、上のベクトルのいずれかの三重積を使えば、それらのベクトルについての公式を導くことができる。
そのことを数年前に愛媛数学教育協議会の機関誌に書いた。しかし、その後その内容が不徹底であることに気がついた。それで自分のところに保存していた原稿では修正を施していたが、そのことを忘れてしまっていた。
一昨日だったかベクトル代数の公式の一つの導出がまた気になって自分で調べてみたら、どうもやはり前に書いた内容は不十分である。
しかし、よくよく調べたらすでにその解決を記載したエッセイを自分でつくって保管していた。こんなことは大抵だれでも知っていることではあろうが、再度注意を喚起するためにどこかで発表した方がよいのではと考えている。それは前のエッセイの修正版である。
(注) Levi-Civitaの記号を用いることは別に私の独創ではないので、テンソル解析の初歩を学んだ人なら、だれでも知っている。