昨夜は12時過ぎに床に就いたのだが、なかなか寝付かれなくて2時前にもう一度起き出して、ゴールドスタイン「古典力学」の第4章を少し読んだ。そして3時ごろに再度床についたらうまく眠ることができた。
私はあまり体が強くないので、すぐに居眠りをする方なので、大体不眠に悩むことは少ない。
約47年前にドイツのマインツという都市に住んでいたときに知り合ったドイツ人学生Karl Schmidtが私がすぐに居眠りをするというので私に付けたあだ名がm"uder Physikerであった(Murder ではない。念のため)。
Ich bin m"udeというのは疲れているという意味だが、眠たいときにもm"udeを使うので私をからかうためにKarl Schmidtがつけた。いつも居眠りをしている探偵さんなら絵になるが、居眠りをいつもしている物理学者など絵にもならない。
Karl Schmidtは物理の研究者ではなくて、私の住居の近くのKeller(半地下室)にそのころ住んでいた、日本好きの英語・フランス語専攻の学生であった。
その後、彼はStudentenheimに入ったので、大学構内に住むことになったが、それでもときどき自転車で私の家を訪ねては私をからかった。
彼の祖父がイギリスからドイツに移住してきたとかいう家系であり、父親は医者をしているということだったから、頭はよかったのだろうが、主任教授との折り合いが悪くて悩んでいた。
身長が私たちとそんなに違わなかったせいか、日本人好きで、ある日本人の女子学生に恋したが、その彼女が帰国してしまったので、そのまま消息がとぎれてしまったとか。
そのときのやるせない気持ちを私たちに話してくれたときにもやはり涙ぐんでいたことを思い出す。そのうちに大学の二回目の試験がうまくいかず、大学を途中で退学せざるを得なかったと帰国後に聞いた。
そのうちに彼の父親が亡くなったとも聞いたが、その後私たちとも消息が途切れてしまってその後のことを知らない。