老人なので、昔のことを思い出すことが多い。
高校生の頃に夏になると野球部の試合の応援に松山に来ることがあった。たぶん、高校1年と2年のときであろう。そのころは堀の内に松山市営球場があった。
その試合は大抵負け試合であった。その試合が済んだ後で大街道にあった、ロンドン屋でかき氷を食べて夏の暑さを少し凌いだ後で、またいまのJRの気動車で I 市に帰った。
私の家は貧乏だったので、高校生の頃にもお小遣いをあまりもらったことはないが、この高校野球の試合のときには少額だが、お小遣いをもらったので、かき氷くらいは食べて帰れたのであろう。
このロンドン屋はいまでもあるのかどうか知らない。多分もう閉店をしているのであろう。松山に住むようになった約45年前にはまだこのお店は健在であったと思う。
このお店で何を提供していたのか、もう思い出せないが、食堂とかレストランの類のお店であった。一番町から大街道に入ったすぐのところにあるお店であったから、高校生でも行きやすかったのであろう。高校生の私にはこのロンドン屋はとてもモダンなレストランに思えた。
高校生の頃は自分が高校生であることが嫌でたまらなかったが、今から考えてみると実はとてもいいのんびりとした時代であった。
私は高校1年の後半から、数学がわからなくなっており、高校の数学を2年のはじめから自習して追いつくためにあくせくしていた。
高校の2年の後半ぐらいからようやくクラスのみんなに追いついてきたが、そのころになって友人のS君などは数学が一段とできるようになっていた。
S君は I 市の郊外の中学校の出身であったから、中学校ではあまり勉強をしていなかったのだろうが、高校になって本来持っていた、実力が出てきたのであった。