昨夜、ちょっと眠れなかったので、考えるともなくこのブログのことを考えていた。
そのとき思いついたのが、ドイツ語の略語で苦労したことであった。
フライブルグのゲーテインスティートでの2ヶ月のドイツ語研修が終わった後で、マインツ大学のAkademisches-Auslandsamtに出向いたら、フンボルト財団からの1ヶ月分の奨学金をわたしてくれた。
そこでの順番を待っているときに、トイレに行きたくなったので、待ち場所から出て廊下を隅から隅まで歩いたが、トイレがどこにあるかわからなかった。
それで仕方なく通りかかったインドネシアかタイの留学生に聞いたら、直ぐに教えてくれた。そのトイレの前を何回か通っていたのだが、気がつかなかった。扉にHという字が貼り付けてあった。女性のトイレの方はもちろんDである。
これは学生のころドイツ語の先生から、男性トイレはHerren(はいれん)とあり、女性トイレはDamen(だめ)と記されていると聞いたことがあったが、もっと省略されていたわけである(注)。
こういう略号ではKfz(Kraftfahrzeuge)自動車だとか、LKW(Lastkraftwagen)トラックとかPKW(Personenkraftwagen)乗用車とかがある。それからあまりいい言葉ではないが、KZ(Konzentrationslager)強制収容所とかもある。略号KZは前から知っていたが、実際にKZの跡地の見学はしたことがない。
特にKfzは車の大学構内への入構許可書を得るために事務に行って聞いたときに使われた言葉であって、普通の日常語ではないかもしれないが、実際の会話で聞いた語である。AutoとかWagenと言ってもいいのだが、お役所的言葉なのであろう。
これは略語ではないが、「自由に使える」という意味でのzur Verf"ugung stellenという言い方を知った。こんな言葉は普通の会話で一度も使ったことがないが、やはり印象深い語であった。
(注)カッコ内の発音は日本語風のユーモア解釈であり、Herren:正しくはヘレン、Damen:正しくはダーメンと発音する。念のため。