大学を退職後に、大阪大学で自発的に研究を続けている友人にK君がいる。
いわゆるもう名誉の追求とかではなくて、単に好奇心を満たすために研究をしているのだ。
彼の机の隣にもこれは大阪大学を定年退職した、実験物理が専門のN教授の机があるそうだが、このNさんも同じような感覚をもっておられるらしい。
K君は日曜日を除いて、大学に出かけて研究をする。ときには大学院生の外書購読につきあっているとか。
私の友人のK君は学生のころから、才能を注目されていたらしく、実験物理学の先生から自分の研究室で、実験をしないかと誘われたことがあったとはK君から聞いたことがあったが、彼は素粒子物理学の理論の研究者になった。
大学を1年早めに定年退職した後に大阪大学が受け入れてくれて、研究場所として定めてから、もう数年になる。毎日が充実しているらしい。
また、これは私の元の研究仲間で友人のEさんもE大学を定年退職後も大学で研究を続けている。
こういう幸福な方ばかりではないであろうが、こういう方が多くいれば、ひょっとしたら、彼ら自身がbreakthroughをするか、そうでなくても彼らの薫陶を受けた若い研究者から、日本の科学の新しい成果がでてくるかもしれない。
高齢化社会も意外なところで役立つのではないかと希望がもてないでもない。