『資本論』の訳本を兄からもらって帰ってのはもう数年前だが、それをひらいてみることなどなかった。これは河出書房の『世界の大思想家』シリーズの中に入っている4冊である。
長谷部文雄訳の『資本論』である。この長谷部文雄は京都大学出身で、経済学者というのかどうかわからないが、『資本論』の訳本で知られた方である。
ご本人をもちろん存じあげないのだが、私の出身の I 市の出身であり、私の卒業した高校のはるかな先輩でもある。I 市の T という地区に長谷部さんの実家があり、立派な赤い塀のあるお屋敷であった。土地の大地主の家の出身である。1945年前後には数年ここに住まわれていたかもしれないが、あまり長くはここに住まわれていたとは聞いていない。娘婿の O さん一家がここに住まわれているとは私が大学生のころに聞いていたが、それももう50年くらいの昔である。
武谷三男は同じ京都大学の出身ということもあったのだろうか、ちょっとしたつきあいというか面識があったらしく、長谷部文雄さんの回想文集に寄稿をしていた。
これは義弟の O 氏が持っていた本の中で見つけたので、私もその本をインターネットで購入していまもっている。これなどは武谷三男の著作目録をつくったときにもちろん入れたが、たまたま見つけた文献であるから、武谷に関心を持って著作目録をつくっている人が他にいるとしてもなかなか目にはとまらない文献であろう。著作目録の第3版をどなたかがインターネットで紹介して下さっていたが、第4版が現在出ている最新版である。『素粒子論研究』電子版で見ることができるはずである。
それも改訂すべき時が来ているのだが、なかなか改訂に至らない。国会図書館の蔵書目録を見たら、追加しなくてはいけないものが増えている。もっとも国会図書館の中に入ってないものも私の著作目録には入っているということもある。
だが、第5版への改訂に取りかかる時期をまだ決めていない。
(2017.2.1 付記) このブログを書いてから、ほぼ一年が経っているが、上に述べた武谷著作目録の第5版はすでに『素粒子論研究』電子版に投稿しているので、インターネットで検索すればだれでも見ることができる。しかし、すでに少なくとも一つの文献を追加しなくてはならないことがわかっている。これは武谷が「近藤洋逸数学史著作集」(日本評論社、1994)第2巻の付録に書いた「近藤洋逸君の思い出」という文章である。いずれ追加をしなくてはいけないのだが、それがいつになるかわからない。
ただ、私の「武谷三男著作目録」よりも詳しい目録はいまのところ存在していないと思う。もっとも西谷正さんのつくっている、論文目録に上の文献が載っていて最近になって知った。いずれにしても数年以内に武谷の遺した文書等の目録ができるであろう。いま整理がされてその作業中である。
西谷さんの論文リストがどこかに公表されるといいのだが、それが公表される計画があるのかどうかは西谷さんから聞いていない。