物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

重力波の観測

2016-02-22 18:07:03 | 日記
についての番組を昨夜Eテレのサイエンスゼロで見た。

重力波の波長のスペクトルは

(1)超新星爆発
(2)中性子星の合体
(3)ブラックホールの合体

の3つでそれぞれ違っており、観測されたスペクトルはちょうどブラックホールが合体してできたスペクトルと一致していたとの説明があった。

これらのそれぞれのスペクトルはそれぞれ特徴が明確に異なっており、それらがまぎれることはなさそうである。

二つのブラックホールの質量とかも計算ですでにわかっており、それとあわせて考えると一つのブラックホールが太陽の39倍の質量と26倍の質量のものとだったという。いろいろの質量の組み合わせは5500種類くらいをすでに計算で出しているとか言っていた。

そしてそれから太陽の質量の3倍のエネルギーが合体のときに放出したとされる。スペクトルの観測がとても難しかったのだがそれさえできれば、後はかなりの精密科学になっていることを知った。これからこの分野に進む若者も出て来ることだろう。

なお、一般相対論の実験的検証として挙げられていたのは

(1)重力レンズ
(2)時間のおくれ
(3)重力による光のスペクトルの赤方偏移
(4)水星の近日点の移動
(5)重力波の存在

の5つであったらしいが、最後まで残っていた重力波の観測が今度発表になったというわけである。

サーファー

2016-02-22 11:15:40 | 日記
という映画をテレビで見た。 22歳で亡くなったという伝説的なサーファーの映画である。

波に乗るのがサーファーのするべきことである。それで思い出したのだが、ソリトン研究で有名だった広田良吾さんの話であった。

これは非線形数学が専門だった数学者の K さんが非常勤講師に呼ばれたのがこの広田さんだった。その講義のはじめの頃に広田さんは波の上の部分が速度が速いことを指摘されていた。

もちろんソリトンは水の波だが、波が形を崩さないで伝わっていく。それが水の粘性のためだったかどうかは覚えていないが、ともかく普通の水の波とソリトンとが違うところはその波の形くずれないことにある。

サーファーの乗る波はこのような形の崩れない海の波ではなく、時間が経てば崩れるような波である。それは波の上の部分が下の部分と比べて速度が速いからである。

有名な北斎の波間の富士の絵を思い出してほしい。波の下の部分は上の部分と比べて速度がおそいので波の上の部分には下の部分がついてこれなくて、上の部分が重力で下の落ちて白い波がたつ。

このサーファーという映画を見ていて思い出したのはこのことであった。この映画がどこの話であったのかははっきりしなかったが多分カルフォルニアのようなアメリカの西海岸のことであろう。

普通に天気予報では瀬戸内海沿岸の波の高さは1m未満である。太平洋側の高知県では普通でも1mくらいだが、ちょっと風が強いと2~3mくらいの波が立つ。この映画ではサーファーの好む名所では8mくらいの波が立つというからすごい話である。