物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

武谷三男の原子力観

2016-02-10 13:35:54 | 日記
岩波新書『岩波新書で「戦後」をよむ』(2015)の「死の灰」の項p.15-16にちょっとどきっとするようなコメントが成田龍一さんからされている。


武谷自身は原子力発電の推進派なんですね。たとえばその本の中には次のような文章があります。


(引用はじめ)
原子力はまだ人類の味方ではなく、恐ろしい敵なのである。・・・現代はいまだに原水爆時代であって原子力時代ではない。
(引用おわり)

将来的には原子力を利用することが可能であり、必要である---原子力を人類の敵ではなく、人類の味方にしなければならないという認識が、武谷の根底にあります。(以下略)

さて、このことを皆さんはどうお考えでしょうか。もう少し詳しい説明を成田さんはしているが、納得できるものかどうか、各自で読んでみて下さい。言葉尻をとらえて原子力云々の議論をするのではなくて深く人類のこれからある長い歴史を考えることができるのかどうかそれがキーとなるのでしょう。

ここに挙げた文章だけを読んだら、武谷三男は怪しからん奴と思われる方もおありでしょうけれども。


保坂正康さん

2016-02-10 10:53:43 | 日記

保坂正康さんが2月7日の朝日新聞の書評欄に鶴見さんの『「思想の科学」私史』と『まなざし』という2冊の遺著とでもいうべきものを取り上げておられた。

そして保坂さんが同志社大学の出身であり、鶴見さんの講義を聞かれた方であるということを知った。この書評欄は書評というよりはむしろ保坂さんの鶴見さんの思い出を述べられた文章でもあるかのように思われた。

この2冊ともまだ私は手に入れてないが、ぜひ読んでみたいと思っている。保坂さんが鶴見さんの講義を聞いたころは鶴見さんがまだ39歳のころであり、いまでいうならば、鶴見さんが青年であったころといっていいだろう。

そして、その後保坂さんはノンフィクション作家となった。保坂さんは1939年生まれらしくちょうど私と同年である。そのせいかどうかはわからないが、私には一度も保坂さんにお会いしたことはないが、ちょっと親しみを感じている。