最近は数学でフーリエ解析と呼ばれている分野に関心をもっている。
これは以前に大学で定年になるに前の10年近く、工学部の電気電子工学科の所属であったが、学生のために「電気電子工学科ミニマム」という数学の要点をまとめた小冊子を編纂して、学生の勉学の便宜に役立てようと考えた。
同じ学科に所属していた数学の先生は自分たちの数学の講義を学生たちがあまり熱心に聞いてくれなくなるとでも思ったのか、不評であったようだが、やはり大学院生や卒論研究に入った4年生の学生には好評だった。
もっとも誤解もあって、1年生か2年生はこの冊子を数千円で私が売りつけたと思う学生もいた。実はこれを1年生か2年生の学生全員に無料配布したのだから、いわれのないことである。しかし、誤解を招いたもとは、別にテキストとして学生に購入させていた「量子力学講義ノート」があった。
ともかく、その「電気電子工学科ミニマム」の中にフーリエ解析の最小限を述べていた。この小冊子の編纂から10年以上たった、半年か一年ほど前にこれを改定しようと考えてすこしとりかかっていたのが、その後忙しくてそのままになっていた。
最近、「積分変換」という概念の一例としての「フーリエ変換」があるということを知ったために、フーリエ解析の部分を改訂する時期が来たのではないかと判断した。
ところが、簡単だと思った、その改訂がなかなか進みそうにない。もちろん、フーリエ解析の出発点はフーリエ級数で、任意の周期関数を三角関数で展開するということが出発点にある。その収束性など以前はあまり真剣に考えたことがなかったが、それだけではなく、収束性の問題のような本質的なところだけではなく、もっと形式的なところにも疑問が出てきた。
現在、それらのことをどうやって自分で納得できるか、奮闘中である。