初等幾何に関係したことでいえば、最近、星野華水『チャート式幾何学』(復刻版)(数研出版)を古本で購入した。復刻版であるので実は古い本ではない。言い方が矛盾しているが、復刻版の出版年は古くはないが、元の版はもちろん結構古い。『チャート式代数学』(数研出版)の復刻版もあるのだが、こちらはあまり食指が動かないのでいまのところ購入の予定はない。
初等幾何については私にはコンプレックスがある。というのは私の1級下の学年からは高校で「数学1(幾何)」として幾何を高校で学んだ学年だが、私の学年はその一年上の学年であったので、高校で初等幾何を学んだのはほんの1~2時間くらいであって、幾何を学んだとはいえない。
ところが、初歩の物理の中にはそんなに難しいものではないが、初等幾何の初歩を知らないとわからないところがあったのである。それでしかたなく初等幾何を自習したのだが、それも最小限のところしか自習しなかった。そういういきさつがある。
亡くなった母は女学校のころにこの初等幾何が得意であったといつも言っていた。だが、私は母には似ず代数学や幾何学の頭があまりなかった。むしろ中学校を中退した父に似ていたのだろう。なんでも自分で納得できないとわかったという気にならないという困った性質をもっている。
それでもそのことが現在までの私に役に立っているとも言えるので、人生全体としてはどちらがよかったかはわからない。外国語や言葉が好きだとか文章を書く趣味とかは母の気質を受け継いでいる。
母は頭のいい人で私たち子どもが中学校の低学年のころに、連立方程式で問題を解いていたりしたときに算数として問題を頭で暗算で解いてしまうというほどであった。また私など暗算がとても苦手だが、結婚前にどこか会社に勤めていたときにそろばんを習ったらしく、暗算とかそろばんとかも得意であった。
もっとも最近の数学教育なら、文章題を算数で解くよりも代数の問題として連立方程式をたてて解くことの方が教育的には推奨されるであろうけれども。