物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

分数ものさし

2017-08-02 11:59:41 | 数学

昨夜のNHKの「夏休みの自由研究」という番組を見た。いろいろな自由研究があるということを知らされて興味深かった。その中で紹介されていたのだが、小学生で分数ものさしを発明した方がおられる。この人はもう中学生になっているが、小学生のころに分数ものさしというものを発明した。商品化の話もでているらしい。

たとえばとして使い方を教えていた。1/6に1/3をたすときには直線上に分数ものさしの1/6を印をつけ、そこからさらにその直線上に1/3をたすと、その端点はちょうど1/2になっている。これだと普通に筆算で分数の足し算をするときに通分するという操作が必要だが、この操作がいらない。

異分母をもった足し算には通分という操作が常に必要だという私たちのもつ、通念を打ち破ったものであり、とてもおもしろかった。だが、よく考えてみるとこれは当然のことであろう。

この分数ものさしには静岡大学のお名前は憶え損ねたが、なんとかいう先生が関心をもたれたとかであった。そういえば、「数学散歩」か「数学の散歩」という私の本のタイトルに似た研究をされた方が静岡大学だったかにおられた。別にこの先生を私が恨んでいるわけではないので、誤解のなきように。

もっともこの分数ものさしが本当に実用にも耐えるものかどうかはよくはわからない。この辺は計算尺というものをかけ算とか割り算で使うということを私たちの年代ならかろうじて経験しており、それは有効数字が3桁なら、早く計算できる。もう半世紀以上の昔であるが、大学院生のときに夜間の予備校の先生として物理の講師をしたときに、筆算では数値計算がなかなかはやくはできないので、やむなく計算尺のお世話になったことがある。

この予備校はいま世間を騒がしている加計学園がはじめてつくった学校であったと思う。

(注)普通の電卓では小数の計算しかできないので、分数の計算がそのままできる簡易型の電卓が売り出されたことがある。いまでも、まだ市販されているのかどうか知らないが、最近の数式処理のプログラムではもちろん分数計算もできるが、それを簡単化したようなものを小学校の先生向けに市販されたのであった。しかし、これは分数ものさしとはまったく異なったものである。