物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ラメの定数

2017-08-09 11:47:06 | 物理学

悪戦苦闘している。何をかというと約十年前に書きかけた数学エッセイを完成しようとしているのだ。このテーマは物理学の弾性体力学に関係したことで、「ラメの定数」というのがある。これはHookeの法則と関係している。

ひずみと応力とは広い意味で(多次元的に)正比例の関係にある。このときにひずみと応力のテンソルとの間には36個の定数がはじめあるが、それが等方的な弾性体においてはたった2個の定数になることを示す。

私も学生のころに弾性体力学の講義を聞いたが、それがまったくわからなかった。その後、50歳だったと思うが、工学部で1年か2年くらい材料工学というタイトルでこの「弾性体論」を教えたことがある。そのときにラメの定数が出てきたかどうか。よく覚えていない。

では、こういう話はどこで出てきたかというと友人に U という人がおり、彼が超音波ホログラフィーのセミナーをしていたときに、そのセミナーに少しの期間、参加していてそのセミナーでラメの定数の話が出てきた。それでそれを岩波書店の「現代物理学講座」の『古典物理学 I』に出ていたラメの定数を導く、数学的な計算をフォローしてメモしていたのを約10年前に数学エッセイとして書こうとした。

その昔のメモは探したら、出て来た。1975.6.24と日付が入っている、もう40年以上も昔のメモである。

ただ、この36個の定数から2個のラメの定数へと導く豊田利幸さんのこの説明はあまりに数学的過ぎて、もっと物理的な説明が欲しいところである。ところが私自身はそういう物理的な説明をまだ文献等で見たことがない。

(2018.8.10付記) この原稿を取り出してきて、昨年のいまごろ、すこし考えたのは事実だが、今に至るもこのエッセイは完成をしていない。いつ完成するかもわからない。まだ完成を断念でいるわけではないが。

(2019.7.2付記) この「ラメの定数」についてのエッセイはとうとう2019.1の「数学・物理通信」8巻10号に書いた。参考にされたい。