は気象学者であった。だが、彼ははじめアメリカの気象学会からその研究を無視されたという。
彼の業績はいまではダウンバーストという現象で知られており、ダウンバーストは飛行機の離着陸のときに事故を引き起こしてきたという。彼のことはいつかテレビで見たことがあったが、その伝記が最近発行されたらしい。
彼は、たつ巻の大きさの等級に名を残しているが、他のことではあまり日本では知られていなかった。なぜ彼がアメリカの気象学会がはじめ認めてくれなかったダウンバーストの存在に気がついたかというと彼が長崎に落とされた原爆の調査に従事したことから来ているという。
だが、その特異な体験をとても上手に生かしてダウンバーストの存在の提唱とその確証を行ったという。ダウンバーストの大きさは幅300mという小ささであり、これでは通常の気象学者がなかなかみとめなかったのもしかたがなかったろう。
この伝記は『Mr.トルネード』(文言春秋)という。一度彼の伝記を読んで見たい。(2017.8.6の朝日新聞の書評欄から)