だが、私にはもうその新学期という感覚がなくなっている。というのも退職してから13年目だからしかたがない。
もっとも桜が咲く季節が日本では新学期だから、桜と新学期は切っても切れない。まだ大学の入学式も松山では行われていないようだが、大学もそろそろ入学式があるころである。
四元数について本にまとめたのももう4年も前のことになってしまった。すこし四元数のことで書きの残したことがないかと昔読んだか参考にしようとした資料のコピーをとり出してきた。
四元数のことだけではないが、私には数学はわからないことばかりであった。それで四苦八苦して四元数のエッセイを書いたのだが、わかったことをわかったことして書く人が多いが、その発見のプロセスに迫る気概のある人は少ない。一般に日本人は頭のいい人たちであるので、物わかりの悪い私のような者はあまりいない。
それでも、いつだったかこのブログで書いた、山本直樹さんの複素解析のテクストとか新しい書き方の本が出るようになってきている。ということで、日本の大学の教育も徐々にではあるが、変わってくるのであろう。
もっとも別の複素解析の本を読んで見ると、山本さんの複素解析の先駆けとなるようなテクストを書いていると思われる方もいたりして、変化は一挙にではなく徐々に用意されていたらしいこともわかってきた。だからといって、最近の山本さんの複素解析のテクストが陳腐だとか言うつもりはない。十分なインパクトを与えたと思う。
新学期の期待感を書こうと思ったのだが、いつものごとく大きく話がはずれてしまった。