と呼ばれるコンピュータでの数値計算の手法がある。これは昔Fortranの解説書で読んだことがある。
ねらい撃ちという語からわかるように軍艦と関係している。軍艦の中で遠距離に見える敵の軍艦を大砲で撃つときの方法だという。
まず、なんでも適当に決めて大砲を撃ってみる。そうすると大砲から出た砲弾が敵の軍艦の手前に落ちるかそれとも向こう側に落ちるかのどちらかである。もし、手前に落ちれば、もう少し遠くまで飛ぶように大砲の砲身の角度を上げる。そして撃ってみる。もしそうした時の砲弾の落下地点が敵の軍艦の向こう側だとすれば、砲身の角度を少し下げる。
というふうに砲身の角度を微調整して、敵の軍艦に大砲の弾をあてるようにする。これがねらい撃ち法といわれるものである(注)。
これと同じことを数値計算で行うのである。コンピュータではこういう操作は極めて短時間でできるから、こういうちょっと原始的な方法で高次方程式の根の数値を求めたりする。
もちろん、高次方程式の解を求める方法はいろいろある。その一つにはニュートン法などもある。これは数値微分を計算して解を求める方法である。
しかし、なかなか原始的なものからはじめてだんだんと真に迫っていくのが科学の方法であろう。
四元数をつかっての工作機械の数値制御だって存外に最近の特許であって、私の義弟が日本で特許をとったのも数年前のことである。
もっともロケットや人工衛星の姿勢制御では四元数は前から使われているという。これは特許としなくて企業秘密とか軍事秘密の部分が多かったからであろうか。でも詳しいことはわからない。
(注)いまではレーザーとかを用いて距離を測るくらいはお手ものであろうから、こんな原始的な方法は用いなくてすむのであろう。ちょっと私の感覚の時代錯誤を笑っておられる方がほとんどであろう。