物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

coursとcourse

2018-04-17 14:47:29 | 日記

とは単にcoursとそれにeがついた、courseとであるが、発音がちがうし、意味もちがう。coursは一番最後のsは発音しないで、クールと発音する。一方、courseはクルスと発音する。大学に勤めていたころ、フランス人の講師の先生とときどき昼食の時に一緒になったことがあったが、今日は授業があったとかいうのをまちがえてクルスとcoursのことを発音したら、クールといつも直された(2024.10.3付記)。

これは私がクルスと言っても買い物に行ったわけではないということでクールと直されたのである。ところが買い物の方はeが最後についているだけでクルスとsが発音される。faire la courseで買い物をするという意味である。

faire le  menageだと掃除をするとか、これらは慣用句である。

(2024.10.3付記)coursは講義のことである。私は大学の教師であったから、講義をするのは当たり前だった。

またこのフランス人の先生は夫人が日本人であり、一日おきに日本語とフランス語を話されているとのことだった。お名前は失念してしまった。マセ―さんだったかな。

donner (faire) un coursで講義をするという意味が仏和辞典に出ている。

関数の表し方

2018-04-17 14:18:41 | 日記

について、私が小著『数学散歩』に書いたのはもう何年前だったろうか。愛数協の機関誌「研究と実践」の30号(1989年6月)に掲載された。それからそれは『数学散歩』に収録されたのが2005年である。

あまり関数論のテクストを読んだことがなかったので、複素解析のテクストの中にそういう関数の表現法を書いたものがあることを知らなかった。最近ちょっと関心が弱くはなっているのだが、それでもときどき思い出したように複素解析の本を読むとそのトピックに関数の表現法を挙げている本を見つけた。それも1,2ではないので多分関数の表現法としてどのようなものがあるのかの関心は私などよりもはやくからあるのだということがわかった。

大抵の関数の表現法をとりあげたと思っていたが、無限乗積という方法は取りあげてはなかった。したがって、前の「関数の定義」という数学エッセイも改訂する必要が出てきたと思っている。


erziehen

2018-04-17 13:56:59 | 日記

erziehenというドイツ語は日本語では「教育する」という訳語になるのだが、元々「引き出す」という意味から来ている。

本来その人がもっているものを先生方は「引き出して」あげるというのが本来の意味であろう。日本語で教育という語にはあまりいいイメージがなくても、erziehenにはそんなに悪いイメージをもたないのはそういう本来の意味を想像することができるからでもある。

「教育から学びへ」というのはまちがったキャチフレーズではなかろうが、もともと日本では教育にはどうもその人のもっている素質を引き出す手助けをするという考えがあまりないからであろうか。

特に最近の教育は耐えがたいものがあるとかいう。これは政治を指導する者が自分たちの思う方向に国民を引っ張って行きたいという気持ちがあるからかもしれない。

その人そのひとの本来持っているものを引き出すのだという教育本来の立場に、先生がたが立てば、教育といえどもそんなにいやなものとはならないであろう。

もっともいま独和辞典を引いて日本語の訳を見たら、erziehenには「教育する」とか「鍛える」という訳語しかなかった。これではその本来ドイツ語の意味するerziehenの意味を読みとれるのだろうか。


ねらい撃ち法

2018-04-17 11:48:30 | 数学

と呼ばれるコンピュータでの数値計算の手法がある。これは昔Fortranの解説書で読んだことがある。

ねらい撃ちという語からわかるように軍艦と関係している。軍艦の中で遠距離に見える敵の軍艦を大砲で撃つときの方法だという。

まず、なんでも適当に決めて大砲を撃ってみる。そうすると大砲から出た砲弾が敵の軍艦の手前に落ちるかそれとも向こう側に落ちるかのどちらかである。もし、手前に落ちれば、もう少し遠くまで飛ぶように大砲の砲身の角度を上げる。そして撃ってみる。もしそうした時の砲弾の落下地点が敵の軍艦の向こう側だとすれば、砲身の角度を少し下げる。

というふうに砲身の角度を微調整して、敵の軍艦に大砲の弾をあてるようにする。これがねらい撃ち法といわれるものである(注)。

これと同じことを数値計算で行うのである。コンピュータではこういう操作は極めて短時間でできるから、こういうちょっと原始的な方法で高次方程式の根の数値を求めたりする。

もちろん、高次方程式の解を求める方法はいろいろある。その一つにはニュートン法などもある。これは数値微分を計算して解を求める方法である。

しかし、なかなか原始的なものからはじめてだんだんと真に迫っていくのが科学の方法であろう。

四元数をつかっての工作機械の数値制御だって存外に最近の特許であって、私の義弟が日本で特許をとったのも数年前のことである。

もっともロケットや人工衛星の姿勢制御では四元数は前から使われているという。これは特許としなくて企業秘密とか軍事秘密の部分が多かったからであろうか。でも詳しいことはわからない。

(注)いまではレーザーとかを用いて距離を測るくらいはお手ものであろうから、こんな原始的な方法は用いなくてすむのであろう。ちょっと私の感覚の時代錯誤を笑っておられる方がほとんどであろう。