というものが複素解析にあるが、これは複素関数 f が変数 z の共役複素数z*での偏微分した\frac{\del f}{\del z*}=0と同値だということを最近知った。
このことは山本直樹『複素関数の基礎』(裳華房)で知ったのだが、最近になってH. カルタン『複素関数論』(岩波書店)にすでに書かれていることを知った。もっともこういう書を図書館で借りてでも読もうと思ったことはいままで思ったこともなかった。
実は私の拘っている分岐点をカルタンがどのように定義しているかということを知りたいと思ってカルタンの本を借りたのである。カルタンぐらいの碩学となれば、普通の数学者とはちがう定義をしているかもしれないという期待からである。
それと「解析接続について彼がどう説明しているか」。これは私がいつも複素解析の書を判断するときの大きな材料である。
およそ複素解析のタネ本は、このカルタンの本か、アルフォースの関数論の本であるらしい。そのどちらの本もいままで読んだことがなかった。