という旧満州からの引揚者の書いた日記を妻がパソコンに入力している。その編集作業ということで先日40%くらいを読んだ。読んだだけではなくて、旧式の漢字で入力されたところを平カナに変えることを頼まれているのだ。
ソ連の軍隊が進行してきたり、八路軍がくるとかいう話がでてくる。また満人が日本人の住んでいた住宅を襲って来て根こそぎ略奪していく様子だとかが書かれている。
我が家でもこういう危機緊急のときがあったのを妻など思い出して、あの時に日記をつけていたらなどと嘆いている。そういう自分にとって緊急のときに日記などつけられるものではない。だからその後悔も込めてこの日記の入力を引き受けたといっている。
手書で100頁そこそこだが、これをパソコンに入力するとそれでも50頁は越すであろう。その注文を出した人は母方の祖父の日記であるが、いままでどうしようかとも考えたことがなかったらしい。お母さんから何度かそのことをなんとか催促されたらしいが、そのままとなっていたらしい。
私も一晩だが読んで、ほぼ40%くらいを読んだ。妻が泣けて泣けてというほどではなかったが、やはり緊迫感は伝わってくる。満人が日本の住宅を襲って根こそぎ資産を奪っていくと言っても彼らは老人には危害を加えないというから感心である。さすが儒教の国だという感を深くする。
(2018.4.5付記) 上の文で満人という語を使った。ここでは私は軽蔑的な意味をまったく込めていないことに注意しておく。もし書き変える必要があるなら、いまなら中国人と書くべきであったろうか。その辺のニューアンスが私にはわからない。満人を単にその当時現在の中国東北部に住んでいた人というぐらいの気持ちである。もし軽蔑的に響くとしたら、ここで特記してお詫びしておくしかない。