『新版マクスウェル方程式』(サイエンス社)は畏敬する、北野正雄先生の書である。
この書はなかなか難しいので、北野先生から本を送っていただきながら、あまり読むことはなかった。だが、ストークスの定理とかガウスの定理の証明の導き方から、いまは電磁気学の方へと関心が移りつつある。
ところが、これを読むのはなかなか片手間ではわかりそうにない。それで、まだそこまで踏み込んではいないのだが、私のもっている電磁気学の本を総動員して、この書を読み解いておきたいという気が少し起きてきた。
たとえば、「数学・物理通信」に『新版マクスウェル方程式』の1章づつを解読したエッセイを書くのはどうだろうというアイディアがでてきた。こんな難しいことを私ができるのかどうかはわからない。それに今見てみると、この書は16章から構成されている。
数か月前にも北野先生から、佐藤文隆、北野正雄『新SI単位系と電磁気学』(岩波書店)を送っていただいたのだが、これも書棚に眠っていて、有効に生かされていない。これをも生かす方向にすこしでも努力ができるだろうか。
他には大田浩一さんの一連の電磁気学の書もある。太田さんは電磁気学の書を2冊組で書いたのを、出版社を変えて3度も出版されている。私はその2つの版をもっているが、最後の東京大学出版会の版はもっていない。
シュプリンガー・ジャパンの版については北野先生も絶賛されている。これらを合せて今回は北野先生の本に焦点を絞った解読のエッセイが書けたらいいのだが、そんなことをする根気が続くかどうか。それはまったくわからない。そもそも、はじめることができるのかさえ分からない。