軌道角運動量演算子とCauchy-Lagrageの恒等式とが関係があることは昨日まで知らなかった。Gasiorowiczの"Quantum Mechanics"を読んでいて、不思議なことが書いてあるなと思って、それがどうしてなのかがわからなかった。
が、よく考えてみたら、これはCauchy-Lagrageの恒等式を下敷きにした考えであることがわかった。Gasiorowiczにはそのことが明確には書かれていないが、そういうことであったのか。
このことはちょっとおもしろいことなので、いつか数学エッセイに書いておきたいと思っている。だが、Gasiorowiczは先刻そのことを承知していたのであろう。量子論では、実はCauchy-Lagrageの恒等式から導かれる関係から、ちょっと量子力学の特有の交換関係によって、補正が必要である。
そういう話をテクストには普通は書かないのであろう。だから、Gasiorowiczのテクストの書き方が悪いとは言うことができない。こんな抽象的な言い方をして、すぐにそれが何か、わかる人は相当の量子力学の知識と素養のある人であろう。