物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

視力300万の電波望遠鏡

2019-04-13 16:22:00 | 物理学

私のブログをほぼ毎日訪ねてくださるSさんが、8つの地球上の電波望遠鏡で見たブラックホールを見た視力が300万に相当することを彼のブログで計算されていた。

その計算には問題はないのだが、「この視力は月の上のゴルフボールを見るくらいの視力である」と書かれてある。それでそのことを計算してみようかと思ったがよくわからない。

それで、2010年に「数学・物理通信」に書いた「視力の基準」というエッセイを取り出してきて、どうやってこういう数値が出るのか理解しようとしたが、すぐにはわからない。

そのうちに、このことをこのブログに書いておけば、Sさんが自ら計算をしてくださるかもしれない。そうしたら、そのことを「数学・物理通信」に書いてくださいと頼べば、すむのだが。はてさて?


『群論と量子力学』

2019-04-13 14:30:36 | 物理学

Herman Weylの山内恭彦訳『群論と量子力学』(裳華房)を武谷三男が大学2年から3年生の春休みに読んだという。

この本は難しいことで知られており、比較的短期間で武谷が読んだということに疑問がないわけでもない。

しかし、書き込みのある本が残っており、それもほとんど真ん中から二つにちぎれている現物を2016年だったかにその当時に武谷の史料を管理していた三本さんのところでちらっとではあるが、見たことがある。

だから、この本がどれくらいきちんと武谷によって読み見込まれていたのかを知る機会は、後世の私たちに残されている。

武谷は計算があまり達者ではなかったというのが、彼よりも若い学者たちの一致した見方である。だが、一方で、この『群論と量子力学』を読破した若い研究者と思われてもいる。

そして、亡くなる直前にも、この『群論と量子力学』が彼の枕頭にあったという東大名誉教授の西村肇さんによる目撃証言もある。

これを私は西村さんの星野芳郎さんの追悼記で読んだのであり、西村さんは武谷さんを星野さんとはちがって具体的に手を下して何かをできるタイプの人という判断をしていたと思う。

西谷正さんの新しい論文「若き日の武谷三男(2)」の原稿をみたところでは、武谷自身が自分の特徴を方法学者、批判学者と自覚していたらしいことを書いている。

西村さんの、話の記述の主な論点は、化学者の近藤完一さんと技術評論家の星野さんの対比に重点があった。


black holeはドイツ語では

2019-04-13 11:56:09 | 日記

black holeはドイツ語ではSchwarzes Loch(黒い穴)(シュバルツェス ロッホ)とということを最近知った。これは今週の木曜にあったドイツ語のクラスでの話題であった(注)。

それで、クラスの中でただ一人の物理屋である、私に説明せよと要請されたが、私だって素人である。それでもなんとか説明はしたのだが、専門の人から見たら、見当違いの説明をしてているのだろう。

(注)「黒い」はドイツ語ではschwarzという。ところがこれが名詞の前にくると格語尾の変化をする。ドイツ語が嫌われる大きな原因の一つが、名詞の前のこの形容詞の格語尾変化である。

名詞に不定冠詞がつくか、定冠詞がつくか、なにも冠詞がつかないかによって、形容詞の格変化語尾が変わるから面倒である。

Schwarzes Lochの場合には冠詞はなにもついていないから、それの代用を形容詞がする。それでSchwarzesと語尾として-esがついている。これで、名詞Lochは中性名詞の単数だということがわかる。

語尾の-esは中性の定冠詞dasに似ていることに注意してほしい。これが冠詞が何もつかないときの単数の中性名詞につく形容詞の語尾である。

ああ、説明するのも面倒くさい。

ちなみにドイツ語の名詞は自然の性に従って、男性と女性とがもちろんあるが、それ以外に中性がある。もっともTisch(机)がなぜ男性名詞でder Tischなのか誰も知らない。またHaus(家)は中性名詞でdas Hausなのかは誰も知らない。さらにStrasse(通り)が女性名詞でdie Strasseなのか誰もしらない。

der, die, dasはそれぞれ、単数名詞につける男性、女性、中性の定冠詞である。これを -r, -e, -s とドイツ人はしばしば省略して書く。