物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

行列力学の章

2019-04-16 16:41:21 | 物理学

行列力学の章を編集することになって、またヒッポファミリークラブの『量子力学の冒険』(ヒッポファミリークラブ)を読みだした。

もともと物理学とは関係がなかった人たちが書いた本だが、なかなかわかりやすく書いてある。これくらいわかりやすく書けば、だれでも行列力学がわかるだろう。

もともと朝永の『量子力学』I (みすず書房)を理解するために読み始めたのだが、もう何十年も前に朝永の『量子力学』を数回テクストとして使ったことがある。そしてその時のノートはカードで取って今でも残っている。しかし、なかなか今読んでもよくわからない。

じっくりと読めばわかるはずだが、どうも気が焦ってゆっくりと読むことができない。だいたい、なんでもじっくりと読むという気構えができていない。 

 (2019.4.17付記)

昨夜、この章をまがりなりに終わりまで読んだ。いつかの納得できないこともあったが、それは棚に上げておいた。そういうところはあるが、わかりやすく書けている。

よくないと思われるのは目次にこの章の扱うテーマの詳細を書いてないことだ。やはり読者のためにある程度目次を詳しくすべきではなかったろうか。目次は索引の役目もするので、詳しくするべきだった。


ラプラス演算子の極座標への変換

2019-04-16 10:04:20 | 数学

『ゼロから学ぶベクトル解析』(講談社)を古書で購入して、ちらっと見たら、この本に冗談めかして3次元のラプラス演算子を直交座標から極座標に変換する方法を大学の物理の先生か誰かに計算をやらせたら(それができないと遠足のお昼ご飯は食べさせないとか言って)、それはまちがいなく成功するだろうと書いてあった。

N先生くらい計算も達者な人は別として、やはりこの本の著者の西野友年さんの言うとおりになるだろう。かく申すこのブログの筆者である、私もご同様に引っかかって昼食どころか夕食もお預けとなるほうの筆頭である。

西野さんはこの計算のプロセスを書いてあるテクストはほとんどないという風に書いていたと思う。それはその通りであるが、それでも皆無というわけでもない。

少なくとも私は私以外に3つの日本語で書かれた本を見たことがある(注)。それに私自身も3回ほどそれについて書いたことがある。はじめの1回は『数学散歩』(国土社)に収録されたが、やはりミスプリントが多かった。つぎはN先生のアドバイスにしたがって書いた、円柱座標を経由するやり方であり、これは「数学・物理通信」に掲載したので、だれでもすぐにインターネットで検索できる。

さらにもう一度はじめと同じ直交座標系から直接的に3次元の極座標に変換する方法も、文字の置き換えを有効に活用した変換のプロセスをこれも「数学・物理通信」に掲載した。これは江沢洋先生の『微分積分の基礎と応用』(サイエンス社)に書かれた式を小分けにするという考えでの計算であるが、複雑な式を文字で置き換えて計算した。

この計算には2日ほどかかったが、それでもまともにやれば、1週間ほどかかって、それでもなお計算の結果が一致しなかった学生時代とは違った。

すくなくとも、これから学ぶ学生さんたちはN先生や私たちのやり方を学んで、貴重な青春の時間をロスしないでほしいと思っている。

(注)その3つの本とは、一つは上に書いた江沢洋先生の本である。第2は佐々木重吉『微分方程式概論』下(槙書店)である。第3は宮原豊『量子力学』(培風館)である。

それにつけ加えて、いまでは小著『数学散歩』(国土社)(『物理数学散歩』(国土社)再録、こちらの方はミスプリントをかなり修正したが、それでもミスプリが皆無とはいかない)がある。

だが、インターネットで検索できる人はこれらにたよることもない。「数学・物理通信」で検索されたら、すぐに名古屋大学の谷村さんのサイトにたどり着く。