「自分にわかるということ」を私は単に理解したということでは満足していない。少なくとも二つ以上の方法でわかることをいつのころからか、それはかなり若いころからだが、自分に強いるようになった。
つい先ごろなら、軌道角運動量Lの2乗の固有値を求める方法を納得したいと思った。一つの方法ではすでに理解したつもりだが、もう一つの方法ではまだ十分に納得できるようになっていない。そこで、その理解が頓挫している。
ところが、現在はベルヌーイ数とか、ベルヌーイ多項式とかを使った、自然数のべき乗の一般公式の導出を学んでいるが、それが少なくとも二つの方法で理解したい。ところが二つどころか、一つでもまだ十分に理解していない。
ということで、なんでもやっている途中で、別の関心事が現れ、それがすぐに納得できるくらいにわかってしまうといいのだが、なかなかわからない。
こういうことをずっと続けてきた。しかし、若いころには時間を自由には使えなかったので、いい加減のところで放り出すことが多かった。
最近では時間は自分の自由に使えるので、いくらでも自分に納得できるまで、使うことができる。だが、そのために仕事がなかなかまとまらない。こういうことが現在私に起こっている。
どうしたらいいのか。