「80歳になった」
正確にいえば、今日の午後11時ころの生まれだから、80年前の今頃はまだ母のおなかの中にいたことになる。
母方の祖母がもう私が生まれるかと思って、私の家につめていたらしいのだが、なかなか生まれそうにないから、夜の8時すぎに自宅に帰ったあとで、急に生まれたのだとは母から何回かくりかえして聞いた。
昔風にいえば、5月27日は海軍記念日であり、そのために海軍の工廠に勤めておられたことのある、私の上司の A 教授からも、おリにふれてそのことが話題にされたことがある。
いまとなっては、海軍記念日などという日をまだ覚えておられる人など皆無とはいわないが、ごく少数であろう。
けさ、そういうことを妻に言ったら、私の兄妹の中で比較的に健康を保っているのは残念なことだが、私くらいなので、妻が「私のつくる食事がよかったのだろう」と言った。それは多分にあろう。
そうは言っても、私も無病だというわけではなく、最近よく言われるように多病息災なのである。経過観測をしている病気は一つにはとどまらない。
人生において、ながく生きることが重要なのではなくて、重要なのは「何をなしたか」なのであろう。しかし、今しばらくは生きていけるだろうか。その間に何をするか。そういうことをしきりに考えるこの頃である。