物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

杉谷や 有明映る梅の花

2019-05-24 13:19:21 | 日記

「杉谷や 有明映る梅の花」 子規

である。いささか季節外れだが、平和通りにある小さな句碑の一つである。もう何十年も前からこの平和通りを通るときにこの句碑の前を通る。

「映る」の読み方がわからないが、私は勝手に「はゆる」だと思っている。本当にそうなのかどうかは知る由もない。

30歳で亡くなった、子規は生前に2万句とも3万句とも詠んだというから、やはり天才であろう。私などは30歳の2倍以上生きているが、こんなことはできない。

もっとも、私の書いた数学エッセイも重複はあるが、170編以上にはなっている。だからと言って私を子規と比べることなどとてもできない。それくらい2万句とも3万句ともいう句の数は法外である。それも30歳くらいで生涯を終えた人がである。

 


ドイツ語の形容詞の付加語用法

2019-05-24 12:16:08 | 外国語

昨夜のドイツ語のクラスでドイツ語の形容詞の付加語用法が、ある人から質問された。

問題となったのは、はじめは、名詞の格変化だと思われていたものはそうではなくて、結局は形容詞の付加語用法であることがわかった。これはドイツ語で面倒なテーマであることはまちがいがない。

形容詞が文の中で「彼女の眼は青い」などというときは別に難しくはない。Ihre Augen sind blau. といえばよい。形容詞blauはまったく変化しない。

ところが「彼女は青い目をもっている」なら、ちょっと面倒になる。Sie hat blau(en) Augen.となる。これが形容詞の付加語的用法の一つである。

いまの場合はAugenが複数であったから、そのときは前に定冠詞がつこうが、不定冠詞がつこうが、なにもつかなくても形容詞に語尾(en)をつければよい。

ところが修飾される名詞が単数である場合には、その前に 定冠詞がつくか、不定冠詞がつくか、何もつかないかで変わってくる。

一番に簡単なのは定冠詞がついた場合で、この場合には語尾は(e)か(en)しかない。大多数の語尾は(en)だと思っていいが、名詞の単数1格のときは語尾は(e)となる。ただ、女性名詞の単数4格、中性名詞の単数4格はそれぞれの単数1格と語尾が同じになるという性質があるので、女性名詞も中性名詞の4格もそれに倣って語尾は(e)となる。男性名詞の単数4格は語尾は(en)である。男性名詞だけ4格の語尾は1格と同じにはならない。

つぎに簡単なのは不定冠詞が名詞につく場合である。この場合にもやはり基本はの付加語尾は(en)であると思ってよいが、男性名詞の1格と中性名詞の1格と4格の場合に例外的になる。実はこの場合だけは不定冠詞がついただけでは、その格が明瞭にはわからないから。

それで、そのことを明示する必要が出てくる。それで男性名詞の1格には定冠詞の男性名詞の1格の語尾(er)形容詞の語尾としてつく。

また、中性名詞の形容詞の付加語尾としては中性の定冠詞のdasにならって1格と4格とにつく形容詞の語尾として(es)がつく。中性の定冠詞なら(das)だが、それが少し変化して(es)となっている。後はすべて名詞についた形容詞の語尾はすべて(en)である。

女性名詞の1格と4格との形容詞の変化語尾は(e)である。あとはすべて(en)である。

一番面倒なのは定冠詞も不定冠詞もドイツ語の名詞につかない場合である。この場合には定冠詞がないので、その定冠詞の語尾を定冠詞の代わりとして、名詞につく形容詞がその定冠詞の語尾の変化を受け継ぐ。ただ例外的に、男性名詞の2格と中性名詞の2格につく形容詞の語尾が(es)ではなくて、(en)である。

言葉で説明すると複雑な感じがする。実際にはそれほど複雑なことではないのだが、昨夜説明を聞いたときにも複雑な感じがした。

極端に簡単化すれば、名詞に付加語的に使われる形容詞の語尾は(en)であるといってもよいが、その例外がいくつか名詞の1格、4格の場合に生じるとでも覚えておけばいい。複数名詞に付加語的につく場合は、その語尾はいつでも(en)であるので迷う必要はない。

実はこういうドイツ語における、形容詞の付加語的用法については、ドイツ語に多く触れて、慣れていくというのが一番いいと世の中の優れた日本人のドイツ語の先生方も思っておられる。そういう考え方ではない先生にドイツ語を学ぶ学生が、もしおられれば、それはかわいそうである。

(2019.5.25付記) 基本的な考え方は定冠詞の語尾をどこかで引き継ぐという習性があるということだ。それだけを知っておればいい。個々には多くドイツ語に触れて慣れるしかない。

昔、小塩 節(おしお たかし)先生がNHKテレビのドイツ語講座の講師をなさっていたころ、ドイツ語は素晴らしい言語だが、形容詞の付加語的用法での語尾変化は「ドイツ語の玉に瑕」だとかいう趣旨のことを言われたことがあると記憶する。

実際には、小塩先生くらいのドイツ語の達人になれば、形容詞の語尾変化くらい十分(以上)にクリアされていると思う。だから、これは視聴者へのサービスとしてのねぎらいの言葉だったと思う。

先日のドイツ語のクラスで R 氏が話していた。ドイツ語の文法書かなにかを出すときに、出版する D 社とそのことで、もめたとか言っていた。だが、 R 氏の言では、出版社の用意した60ページの変化表が、実は2行で済んでしまうという。それは誇張があると思うが、「どういう考えで形容詞の語尾変化ができているか」を教えるのは大事だと思う。

形容詞の弱変化(定冠詞類の場合)、混合変化(不定冠詞類の場合)、強変化(無冠詞の場合)の言葉は忘れてもいいけれども。