新年にあたってドイツ語でどういう風なあいさつ表現をするか、 R 氏に聞いてみた。
まずは時間的に年末の挨拶は
Guten Rutsch (ins neue Jahr). カッコ内は口語(話ことば)では省略される
である。 ちなみにdie Rutschbahnは滑り台のことである。
つづいて、新年のあいさつだが、
(Ich w"unshe Ihnen ein) sch"ones neues Jahr.
(カッコ内は書き言葉の場合である (日本語訳: すばらしい新年を祈ります)
sch"onesは美しいsch"onの付加語的用法であるが、das Jahrにかかる形容詞である)
というのが普通だとのことである。
gutes neues Jahr
というのもありそうだが、あまり聞かないと言われた。
書き言葉にしろ ein sch"ones neues Jahr と ein という不定冠詞が入る理由が知りたかったが、それぞれの人にそれぞれの新年があるためかと食い下がって尋ねてみたが、あまりそういう風には考えたことはないらしく、新しくはじめて出て来た概念の場合には不定冠詞を使うと説明された。
したがって、こういう場合に定冠詞を使うという考えは全くないようである。
こういう話から、さらにいろいろなお祝いのいい方へと話は広がっていったが、それらはまた別の話になるだろう。
(2020.1.11付記) また知ったかぶりで1,2を書く。
Guten Rutsch (ins neue Jahr). の ins neue Jahrの箇所だが、ins=in dasと定冠詞dasがついている。それで形容詞はいわゆる弱変化でneuに変化語尾eがついている。
一方、ein sch"ones neues Jahrでは不定冠詞のeinがついているので、混合変化でneuに語尾esがついてneuesとなっている。こういうところがドイツ語のいやらしいところである。
ところがドイツ語を少しかじった人なら、逆に奥深いドイツ語らしさという話になるのだから。ものは一筋縄ではいかない。