Wilsonの「ベクトル解析」の本を大学の図書館から借りて来た。
けっこう長い数ページにわたる序文がついている、このベクトル解析のテクストはGibbsがYale大学で行ったノートをもとにしたベクトル解析の本と言われているが、序文を読むと、WilsonにGibbsがあまり私の講義の内容にかかわらずに、自由に書いていいよと勧めたらしい。
Wilsonはポーリングとウィルソンと世間で言われている名著『量子力学』(白水社)の本の著者でもある。ポーリングは化学でノーベル賞を取った化学者で有名だが、ウイルソンの方はあまり一般の人に覚えてもらえなかったのではなかろうか。
すくなくとも私にはあまり記憶になかった。
だが、そのWilsonの子息のK.G. Wilsonは臨界現象の理論でノーベル賞をとった。いわば、親子でとったノーベル賞かもしれない。
ベクトル解析のテクストにもどれば、スミルノフの高等数学教程のベクトル解析の項はWilsonの説明の伝統を受け継いでいるような気がする。