物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

La vie en rose

2020-12-24 12:34:12 | 本と雑誌
La vie en rose(バラ色の人生)とは有名なフランスのシャンソンのタイトルであろうが、物理学者の武谷三男が最晩年に入っていた老人施設の名前でもある。

ラビアンローズと続けて言うのが普通であろう。なにか一語のようであるが、一語ではない(注1)。

2000年4月に武谷さんが亡くなったときに、哲学者の鶴見俊輔さんが武谷さんのobituaryを朝日新聞に書いていたが、亡くなる前年の1999年にこのラビアンローズに武谷さんを訪ねたと書いてあった。

そのときに、そこでも武谷は元気でだいぶん鶴見さんと話をしたらしい。ある意味では論争と言ってもよかった。

また別の人の証言では入院した病院のベッドの傍には彼が若いときに熟読したと言われる、ワイルの『量子力学と群論』(山内恭彦訳)の訳書があったという。

その本の現物を一度 M さんの事務所で見たことがあると思うが、もうほとんど二つに分解していた。そこには細かな書き込みがあったと記憶する(注2)。

いつかこの書き込みをよく読み込んでみたいと思っているが、そういう機会が私に訪れるとはとても思えないというのが本当のところであろうか。

(注1)ラビアンローズは意味ごとに、きちんと分けて発音するとラヴィ アン ローズであろうが、そうは発音しない。そこがフランス語の音の「きれいさ」であり、また「難しさ」でもある。

(注2)Mさんは武谷さんの死後、彼の残した資料とか書籍の遺族からの寄贈を受けた責任者である。武谷三男史料研究会の会長をされている。武谷家のMさんに対する信頼があついということだろう。





21日は冬至だった

2020-12-24 11:48:23 | 本と雑誌
12月21日は冬至だった。一年で一番昼の短い日だと言われている。

私が子どものころは家で冬至の日にはカボチャを食べる習慣があった。これは長寿を願ってのことだったのかどうかよくは覚えていない。

カボチャはもちろん夏にとれる野菜である。私の父はカボチャの好きな人であったが、私自身はどちらかといえば、カボチャは好きな野菜ではない。嫌いなのかと言われるとそこまで嫌いではないが、どちらかというと好きな野菜には入らない。

そういう冬至の日にカボチャを食べるという習慣から遠ざかってひさしい。いまではもう記憶の中にしかない。

それはそうと私のお得意の外国語ドイツ語ではこの冬至のことをdie Wintersonnenwendeという。こういう語は文献から学ぶ人もあるだろうが、私はドイツ人の R 氏から耳で聞いて学んだ語である。だが、いつも知識があいまいになる。

Winterwendeだったかな、といつのまにか途中のsonnenの部分が脱落してしまっていた。「いまさっきお得意のドイツ語だと言ったのではなかったかい」と悪友からの突っ込みがありそうだ。いくらお得意とかいってもそれくらいのことであるから、あまり真剣にとらないでほしい。

おしゃべりをもう少し続けると、夏至は-e Sommersonnenwendeとなる。つづりの長い言葉だが、Sommer夏、太陽Sonne、Wende転換の3つの部分から成り立っている。

Wintersonnenwendeも同様である。さらに冬至と夏至というと春分と秋分はどういうかと聞きたいといわれるかもしれない。

春分と秋分に区別がされているのかどうかは知らないが、die Tagundnachtgleicheという。これも分解すれば、Tag 昼、und と、Nacht夜、が等しいGleicheという意味である。分解すればわかりやすいが、しかし、味もそっけもない言葉だとも言えるかもしれない。