『僕がノーベル賞をとった本当の理由』(フォーラム・A)は2008年度に小林誠さんや南部陽一郎さんとノーベル物理学賞を共同受賞した益川敏英さんの2009年発行の書である。
旧知の益川さんの書をできるだけ購入しようと思って購入していたが、あまり読んだことがなかった。書棚に他の本を探しに行ったときにこの本をたまたま見つけてなんだか嫌なタイトルだなと思って、手に取って読み始めた。
このタイトルはたぶん出版社のつけたタイトルだろう。だが中味はなかなか率直なもので、益川さんの人柄や性格がよく出ていて、とてもおもしろかった。
本のタイトルが嫌味だが、中身はなかなか率直で好感が持てるようである。タイトルの惑わされないように読まれる方が多くなることを希望する。
益川さんは昨年だったか一昨年だったかに亡くなってしまったが、彼の率直で真摯な人柄が偲ばれる。いい本だ。