物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「思想の科学」研究会の多元性の思想

2022-07-27 13:26:35 | 本と雑誌
「思想の科学」研究会は多元的であったという。

その原則を提唱した人は鶴見俊輔さんではない。「思想の科学」の創立同人は7人であり、そのうちの5人までがアメリカとかフランスとかに留学していた人たちであった。

創立同人のうちで、都留重人、鶴見和子、鶴見俊輔。武田清子、渡辺慧はそれぞれアメリカとフランスの留学生である。丸山真男と武谷三男だけがその時までには留学経験がない。

だが、「思想の科学」の多元性の思想はまったく外国留学の経験のない、武谷三男から提唱されたという。その武谷の提唱が結局最後まで鶴見さんの「思想の科学」研究会に影響を与えた。

もう一つ、鶴見和子さんが戦後間もない時期に、共産党に入党したかどうかして、もう「思想の科学」の発行の意義がなくなったと言ったときに、武谷三男が「共産党に引き回されない雑誌があったっていいよ」という意見を述べたので、「思想の科学」は廃刊を免れたという。

こういういくつかの事実の一つ一つは、大したことではないかもしれないが、大いに考える必要があることだと考えている。





Don Cohenのワーク・ブック

2022-07-27 12:54:00 | 数学
もういつだったか忘れたが、知人のTさんが大学の研究室に来られて、Don Cohenというアメリカ人がつくった、大判のワーク・ブックを1冊くださった。

このTさんはDon Cohenさんの編纂したワーク・ブックが気に入ってこれを日本語に訳して出版することを考えていたが、どの出版社も出版しようというところはなく、Don Cohenさんの本は講談社ブルーバックスとして、微積分の本と線形代数の本が新井紀子さんの翻訳で出ている。

私は線形代数の本はもっていないが、微積分の本の方はもっている。いま書棚を見たら、このDon Cohenのワーク・ブックを見つけた。それでほんの一部だが、一つの問題を見つけた。

変な問題であるが、無限が関わった問題である。

\sqrt{x+\sqrt{x+\sqrt{x+ .... }}}=3
でxはいくらかという問いである。

大体私のような頭のわるいものはこういう問題はわからないのだが、ちらっと後ろのページを見たら、答えが書かれてあった。

x=6が答えである。これは\sqrt{}の中が無限に続くということがヒントになる。これを11歳のIan君が解いたというからなかなか鋭い洞察力である。

解答はここでするべきではなかろうが、私みたいな頭の鋭くない人もおられるだろうから、ここで解答しておこう。

上の方程式を2乗すると
x+\sqrt{x+\sqrt{x+\sqrt{x+ .... }}}=9
である。ところが\sqrt{x+\sqrt{x+\sqrt{x+ .... }}}=3であったから、この値を代入するとx=6が求められる。