とはたいしこともない病気を示すドイツ語である。ヴェヴェヘンと発音する。
Es tut weh.というと「痛い」という意味である。この他に痛みにはSchmerzenという言葉もあり、これもよく使う。
Ich habe Bauchschmerzen.
というと「お腹が痛い」とか
Ich habe Kopfschmerzen.
というと「頭が痛い」ということである。
もっともこのwehは痛いという意味ではなく、悲しいという意味もある。文献で読んだことがあるが、広島と長崎に原爆が落とされたことを聞いたときに、アインシュタインは Oh, weh ! と言ってしばらく口がきけなかったとか。これはもちろん痛いという意味ではなく、悲しいという意味であろう。悲しいという語はtraurigという語もあるが、ich bin traurig とはいわなくて Oh, weh ! とすぐに言葉を発したというのはほとんど即座に出たのであろうと推測する。
アインシュタインはドイツ語が母語であるから、基本的にドイツ語で考えたり、話したりをしていたと思われる。物理とか数学の議論したりするのはアメリカでは英語で話していたかもしれないが、生活用語はドイツ語であったろう。
アインシュタインの英語のボキャブラリーは数百語であったとも言われる。これはもちろん話すときに使われる英語の単語だと思うからもっと多くの英語を読んだり、書いたりするのに使うことができたであろう。
岩波新書に『物理学はいかにしてつくられたか』という書があるが、この英語は基本的にポーランド人であったインフェルトが書いたと言われている。インフェルトがアインシュタインと何語で話をしていたかはわからかないが、多分ドイツ語で議論していたのだろうと推測する。
いつものようにWehwehchenから話が思わぬ方向に飛んでしまった。