渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【国会傍聴記】衆院本会議 国会同意人事とテロ特可決 主戦場の参院へ送付

2007年11月13日 15時52分24秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

【国会傍聴記 2007-11-13 衆院本会議】

 議題は2つ。

○国会同意人事案件

 NHK経営委員会委員など政府機関の人事。
 任期切れが近い14機関28人について政府案に国会が承認を与えます。

 ちょっと詳細は現時点でよく分からないのですが、
 「異議なし採決」による全会一致の案件
 「起立採決」による賛成多数の人事案件が数件といった形で
 いくつかに分けて河野洋平議長が採決をとりました。

 衆院ですから、与党の賛成多数ですべて可決(承認)しました。

 いったん、本会議場から離れます
 けさの朝日などの報道によると、2機関(労働保険審査会、運輸審議会)の3委員は明日の参院本会議で民主党、社民党、国民新党が不同意することで一致。民主党は他の1機関1委員も不同意の方針で調整中とのこと。無所属議員の動向もあり、調整中のようです。

 国会同意人事は憲法・国会法などに「衆院の優越」の定めがありません

 空席になる場合もあります。
 本会議の1時間半後、民主党の小沢代表は記者会見で「出身が官庁だということで(同意が)100%ノーということではないと思います、(党の)みんなの中では」と語りました。これは2008年3月の日本銀行(日銀、BOJ)の総裁人事で、「武藤敏郎副総裁の昇格」が「財務省出身という理由で不同意」になる可能性があるのか?という趣旨の記者の問いへの答えです。

 で、本会議場に戻ります。 

○新テロ対策特別措置法は賛成多数で可決→参院へ

 さてさて、新テロ特措法案です。新聞表記は「補給支援法案」「給油新法案」「給油特措法案」など分かれていますので、正式名称を書いておきます。

テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出)

 重要法案ですので、記名投票採決(堂々めぐり)をしました。

 結果は投票総数     455
    「賛成」(白票) 327
    「反対」(青票) 128

 で可決。参院に送られました。

【国会傍聴記】“スミ塗り”資料のまま、新テロ特措法、衆院委通過

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新テロ対策特措法案、衆院を通過(読売新聞) - goo ニュース

 衆院は13日午後の本会議で、インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開させるための新テロ対策特別措置法案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。

 政府・与党は12月15日まで延長した今国会での法案成立を目指し、14日の参院本会議で新テロ法案の趣旨説明を行うよう野党側に求めているが、参院第1党の民主党は反対しており、審議入りのめどは立っていない。

 新テロ特措法案は11月1日に失効したテロ特措法に代わるもので、海自の活動内容を海上阻止活動を行う米英などの艦船への給油・給水活動に限定、活動期限を1年間とし、旧法にあった国会の事後承認規定は削除した。

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【読売世調】民主党支持率4・5ポイント急増 内閣支持率は7ポイント激減―読売

2007年11月13日 09時22分57秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 首相がよく言うように、内閣支持率を気にしていたら政治なんかやってられません。世論調査というのは、水物。私は「世論」というより「私論」調査に名称を変えた方がいいと思うのですが。

 ところが下町の太陽は、月1回の読売の世論調査はしっかり読みます。
 一番信頼できます。
 なぜなら、日本の報道機関で唯一「面接方式」を採用しているからです。

読売2面に次のように調査の概要が載っています。

 今回の調査は調査日が11月10、11日▽対象者 全国有権者3000人(250地点、層化2段無作為抽出)▽方法 個別訪問面接聴取法▽回収1810人(60・3%)

 面接方式を毎月やっているのは読売だけ。NHK、朝日をはじめ「RDD」という電話方式が主流です。
 で、なぜ読売だけ面接方式を毎月できるのか?というと私もよく知らないですが、最大手(売上高が一番大きい)なので、予算を多く割けるという単純な理由で間違いないでしょう。

 で、民主党の支持率が4・5ポイントとハイパーアップ。
 しかも今まで民主党が弱かった70歳代が5・6ポイント
 さらに60歳代では10・5ポイントというけたたましい進軍です。

 こういう記事はやはり一覧性です。読売をとっていない方も駅やコンビニでお買い求めになって、目を通してはいかがでしょうか。私が社会調査を習った田中愛治教授もコメントを寄せています。後輩に聞いたら、今や相当な大御所になってるとのこと。もはや数学+政治学=社会調査(統計学)は単なる学問ではない。最近の的中率の高さは驚異的です。

 さて、この結果を見て、どう感じました?解散権者の福田内閣総理大臣閣下

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給油継続「賛成」51%、初の過半数…読売調査(読売新聞) - goo ニュース

(抜粋)

 福田内閣の支持率は52・2%(前回調査比6・9ポイント減)に下落し、不支持率は36・0%(同9・3ポイント増)に増えた。今回は、自民、民主両党の連立政権構想が表面化して初めての調査で、自民党の支持率も34・3%と前回より3・5ポイント減ったが、連立を拒否した民主党の支持率は22・5%で4・5ポイント上昇した。

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【国会傍聴記】“黒塗り”資料のまま、新テロ特措法、衆院委通過

2007年11月13日 01時15分13秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

(写真はNHK国会中継から、「スミ塗りの資料では議論のしようがない」と政府・与党の対応を批判する民主党の松野頼久衆院議員)

【国会傍聴記 2007-11-12 衆院テロ対策特別委員会】

 今国会の最大の焦点となった「テロ特」。
 米軍のOEF(不朽の自由作戦)のインド洋上での活動(油などの補給)への参加継続について、40時間55分にわたる議論が今日終わりました。
 私たちの同朋も巻き添えになった米国中枢同時多発テロ(9・11)。
 首謀者であるウサマ・ビンラーディン容疑者を逮捕できないまま、海ではインド洋、ペルシャ湾、陸ではアフガニスタン(パキスタンなど経由)、イラクなどで「テロとの戦い」は続いています。

 11月1日に根拠法が失効し、政府が出し直した新テロ対策特別措置法案(補給支援特措法)の最後の議論です。

 午前中。

○BAEシステムズの「見積書」にふしぎな費目 「技術支援費」

 「守屋喚問」で得点をあげた民主党の川内博史さん(鹿児島1区比例)。
 何度も質問に立った川内さんにとっての卒業質問。心残りがあったようです。
 英国最大手の軍事産業「BAEシステムズ」が作成した見積書
 川内さんは平成12年(2002年)の見積書の写しを入手したようです。

 この見積書が

 BAEシステムズ→山田洋行(代理店)→防衛省

 とわたる過程で、「技術支援費」という費目が加えられていたことを川内さんは突き止めました。
 この「技術支援費」は、英国社も「知らない」そうで、山田洋行が書き加えたもようです。
 川内さんはもはや、大臣の答弁を求めません。防衛省背広組ナンバー2である小川秀樹・防衛参事官さんにひたすら質問。

 そして最後に石破防衛相にヒトコト求めます。

「五年前のことだから」。

 午前の質疑は終わりました。

○スミ塗りの文書では議論にならない

 午後からは福田首相が出席。与野党2時間で最後の締めくくり総括質疑。
 民主党の松野頼久さん(熊本1区)は「合計794件の給油活動で何をしたか。オペレーション(軍事作戦)の情報を出してください」と福田首相、町村官房長官、石破防衛相に最後のお願い。

 そして防衛省が民主党に提出した文書をパネルで見せました。

 「黒塗りだらけの文書。これだけの情報で、どうやって賛成と反対を考えろというのですか」。

 とてもとても重い質問です。

 石破「船(の活動)は我々(海自)だけでやっているのではない」

 松野「米海軍は活動実績をどんどんホームページに出している。米はどん
    どん公開して、感謝の念を持つという文化が根付いている。自衛官
    の必死の活動は黒塗りにしなければ出せないのか


 午後3時5分。深谷隆司委員長(自民党)が「質疑の終局」を宣言。

 討論は、自民党の田中和徳さんが「賛成」、公明党の富田茂之さんが「賛成」。この後、委員長は日本共産党の赤嶺政賢さんを指名しました(赤嶺さんは「反対」を表明)。

 民主党が討論を飛ばされたのは、「質疑の終局」は認められないと、川内理事らが委員長に抗議を続けていたからだと思われます。

 社民党も指名されませんでした。
 この後、自民党・公明党の賛成多数で、新テロ特措法は可決。あす(13日)の本会議で記名投票採決のうえ、可決→参院に送付される見込みです。

○参院では常任委員会が審議→定例日は週2回

 参院では外交防衛委員会に付託されます。
 外防委は常任委員会ですから定例日は週2回(火、木)です。委員長は民主党副代表の北澤俊美さん(長野選挙区)です。

 参院では付託初日の15日(木)から山田洋行社長の米津佳彦参考人、前防衛事務次官の守屋武昌証人から話を聞きます。

 証人喚問には民主党から浅尾慶一郎ネクスト防衛相(神奈川選挙区)、自民党から山本一太さん(群馬選挙区)らが立ちます。
 この2人はずっと外交防衛委員をやっていますので、相当期待できそうです。
 会期末の12月15日まで、あと、33日です。

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