新内閣がのぞむ、「第178臨時会、第178回秋の臨時国会」の召集をめぐって、与野党のかけひきが始まりました。
報道によると、国会対策委員長の自民党・逢沢一郎さん、公明党・漆原良夫さんは民主党の安住淳さんに召集案をだしたようです。
「2011年平成23年9月9日(金)召集、新総理の所信表明演説→12(月)~14日(水)に各党代表質問、15(木)に衆院予算委、16(金)に参院予算委」というスケジュール案のようです。そして、外交日程としては、国連総会(第66期)のハイレベル会合が9月20日(火)に予定されており、これに行くということになりそうです。
しかし、この自公案では、新政権の船出は波が高く、座礁する可能性が高いと考えられます。
まず、首班指名から、組閣、認証式を経てから、ある程度の予習時間があった方が、答弁ミスは少なくなります。とくに18人の閣僚で内閣、70人で政務三役という組織を編む以上は、どうしても、その分野をもっとも得意とするわけではない議員が担当になることはやむを得ません。また、早く召集すればするほど、野党やマスコミがスキャンダル攻撃をする余地が高まります。また、平成23年度第3次補正予算(案)はどうやら10月に組み上がる気配ですので、早期に召集して、野党が「早く補正を出せ」「出せ」と言い続ければ、与党の支持率はカンタンにさがるでしょう。とはいえ、「所信表明を早くやれ」「外国で演説する前に、国会で代表質問を受けろ」という要望は、一定以上の世論の後押しを受けることは間違いないと考えられます。
このような点を勘案すると、民主党側からみれば、「9月12日(月)召集・所信表明演説」「14(水)~16(金)に各党代表質問」というのが最善のように思えます。このあと、3次補正予算(案)の提出まで時間がかかりそうならば、いったん臨時国会を閉じるという案もあると考えます。
なお、私としては、現時点では、第178回国会の傍聴を続けるかどうか、心に迷いを持っています。少し、民主党とは距離を置いた方がいいかなあとも、思い始めてきました。心が折れかけているというよりも、心の根っこが若干腐りかけてきています。ストレイシープ、ストレイシープ・・・女心と秋の空。
自公「臨時国会、早期召集を」 新首相に対決姿勢 :日本経済新聞
野党は25日、31日の今国会閉幕後、民主党代表選に勝利した新首相のもとで開かれる次の臨時国会について、9月上旬も念頭に早期召集するよう与党側に要求した。政権運営の方向性をただし、政権との距離を探るとともに新首相の出ばなをくじく狙い。自民、公明両党は東日本大震災からの復旧・復興支援には協力する一方、早くも国会論戦での対決姿勢をちらつかせてけん制している。
民主党は29日に新代表を選出、30日に国会で首相指名選挙を実施する予定だ。自公両党は前原誠司前外相、野田佳彦財務相が提唱した大連立には原則応じない構え。民主党新体制との政策協議を経て、閣外から復旧・復興などで協力するのが基本戦略だ。
25日の与野党国会対策委員長会談では、自民党の逢沢一郎氏が次の臨時国会に触れて「新首相は少なくとも(来月下旬の)国連総会への出席前に臨時国会を開き、所信表明などを済ませるべきだ」と主張。具体的には来月9日にも召集して首相の所信表明演説、12~14日に衆参代表質問、15~16日の衆参予算委員会を想定する。民主党の安住淳氏は「新執行部が責任を持ってお伝えする」と述べるにとどめた。
自公両党が早期召集にこだわるのは、両党が求める民主党マニフェスト(政権公約)の主要政策見直しなど新首相の基本姿勢を国会審議で明確にさせる狙いがある。本格的な復興策を盛る今年度第3次補正予算案などで協力路線を取れるかどうかを探るためだ。
自民党には新首相にも対決姿勢で臨むべきだとの声が多い。最大派閥、町村派会長の町村信孝元官房長官は25日の同派総会で「誰が新代表になっても民主党の基本的な弱点は変わっておらず、堂々と対峙していく姿勢が必要だ」と強調。参院幹部は前原氏が新首相に就任した場合、外国人献金問題を念頭に「冒頭から厳しく追及する」と明言した。
自民党は3次補正成立後に衆院解散・総選挙に追い込んで政権を奪取する戦略を描く。古賀派会長の古賀誠元幹事長は25日の同派総会で「谷垣禎一総裁も是々非々などと言わず、3次補正が成立すれば即、衆院解散あるのみだ」と指摘。谷垣氏も記者会見で「政治の体制を立て直すのが現実の課題。野党として十分意識して行動しないといけない」と応じた。
ただ、衆院選挙制度の見直し論議なども抱えており、年内解散には公明党が慎重。自民党内も「支持率の高い政権が誕生して臨時国会冒頭解散でもされたらかなわない」と懸念する声もくすぶっており、明確な政権戦略は描けていない。