さて、今年の衆議院は、今週最大のヤマ場を迎えます。
この中で、高校授業料の無償化法に所得制限をかける法案(185閣法7号)が衆・文部科学委員会(小渕優子委員長)でていねいに審査されています。
この法案は、「私立高校」を「高校」に書き換える法案で、公私間格差を解消するとともに、所得制限をかけて、高所得世帯の子どもを対象外にする法案です。できた後に、各県議会で条例化の作業が必要で、さらに施行後は、高校の先生が書類を集めて電卓をたたくなど、教室・グラウンドの外での仕事が増えることから、教育水準がおちるとの懸念があります。
先週2013年11月6日(水)の審議では各会派が一巡し、下村博文・文部科学大臣(兼)五輪相が「民主党の4k(高校授業料無償化、子ども手当、戸別所得補償、高速道路無償化は良かったんだすよ。ただし、財源があれば」と答弁。第1次安倍内閣の官房副長官である清和会中堅からも民主党のマニフェストが評価されるとともに、「ただし、財源があれば」と語り、「財務省の壁とたたかっている」としました。1年半前、消費税増税反対と叫んで党と国会を去っていったお兄ちゃんお姉ちゃんは今頃どうやって夜露をしのいでいるのでしょうか。
下村大臣は、民主党の笠浩文・ネクスト文部科学大臣に対して、「私は高校授業料無償化は評価しているので、所得制限はかかるが制度自体は死守したい」と語り、笠ネクスト大臣も「給付型奨学金の予算をしっかりとってほしい」と応じました。
下村さんは、ひとり親で高校に通っていますから、奨学金を受けたり、親戚の援助で高校に通い、早大教育学部時代は「博文進学ゼミナール」をつくって、生計を立てながら、県会議員になりました。群馬県出身という地縁だけで、福田赳夫会長から清和会入会を許されました。
私は先週のうちに採決されるかと思いましたが、小渕優子委員長が参考人質疑をするなどていねいに運営しており、今週以降に採決が持ち込まれています。
話は変わりますが、首相夫人がロックフェラー財団会長と、棚田の見学に行ったそうで、私は怒りが収まりません。自民党による長年の中国地方などへの中山間地(棚田、段々畑)への予算投入は日本を1000兆円借金大国にしました。中山間地農家が相対的に多い地域は自民党の金城湯池です。安倍首相の施政方針演説のなかに「日本は瑞穂の国であります」と入ったのは、中国地方出身の総裁・副総裁・幹事長が率いる自民党がこれからも予算をばらまくと宣言したものだと私はとらえています。棚田や段々畑が日本の文化であり観光名所であることは認めますが、教育という田畑に種まきをする予算より優先することはぜったいにあってはなりません。安倍昭恵氏のロックフェラー夫婦との棚田訪問の暴挙には、殺意すら覚えます。