20日(水)の国会。
参議院本会議では、議員立法の「タクシーの特定地域での減車も含む適正化法」が成立。自民党が筆頭発議者の法律で、小泉構造改革を修正する、という第2次安倍内閣となりました。「自動車運転の重過失の処罰強化法」は政府原案通り成立。そして「薬事法改め医薬品・医療機器安全確保法」「再生医療安全確保法」の合計3領域4法が成立しました。3領域とも附帯決議が付きました。
参議院の委員会では、衆議院立法の「東南海・南海トラフ地震防災対策特別措置法の改正法案」と「首都直下地震特別措置法案」が可決しました。
審議入りでは、参議院本会議で、高校授業料無償化法に所得制限をかける改正法案と産業競争力強化法案が趣旨説明と代表質問がされました。
衆議院の委員会では、内閣委で「国家戦略特区法案」が「自民公み修正」で可決。「アルコール健康被害防止法案」が委員長起草で全会一致で可決しました。「民法改正法案」も可決。下述の「独占禁止法改正法案」も可決しました。
審議入りでは、「医薬品のインターネット販売解禁法案(薬事法・薬剤師法改正法案)」(185閣法21号)が衆・厚労委で審議入りしました。
【衆議院経済産業委員会 2013年11月20日(水)】
「電力システム」、「産業競争力」を参院に送って、ようやく「独占禁止法改正法案」(183閣法72号)が審議入りしました。
「時間が短く、参考人質疑がない」(共産・塩川議員)との批判もありましたが、昼には採決され、賛成多数で可決しました。次の本会議で可決する見通しですが、参・経済産業委はこれから産業競争力強化法案の趣旨説明がある状態なので、会期内成立が絶対とは言えない状況で、関係者のていねいな国会対策が求められます。
公正取引委員会設置法という法律はなく、独禁法が公正取引委員会の設置根拠です。内閣府に置かれていますが、衆参とも、経済産業委員会が所管しています。そして、この法案は、民主党政権でもっとも長く継続審査になっており、解散で廃案になっていました。ようやく審議入りです。
大改正で、公取委の「審判」制度が外にでます。今まで、公取は「経済警察」として、東京地検と東京地裁を兼ねていて、公取に不服がある「被告」企業は、東京高等裁判所に訴えることになっていました。この「審判」をやめて、東京地裁にやってもらうという改正です。
よく、今まで「検察」兼「地裁」という制度が温存していたものだと思いますが、実は公取としてもこの改正はやりたかったようです。
担当の稲田朋美国務大臣の趣旨説明でもありましたが、平成21年に改正した際に、附則第20条が付きました。「政府は、審判手続に係る規定について、全面にわたって見直すものとし、平成21年度中に検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする」とあります。
公取と内閣は約束を守っていて、ちゃんと、「平成21年度中である、平成22年(2010年)3月12日に法案を提出。「審判制度を廃止する」とハッキリ書いてありました。が、結局国会としてはきょう審議入りしたのが初めてです。
これは民主党のせいでも、自民党のせいでも、行政府のせいでも、国会のせいでもないでしょう。各党理事が東日本大震災で「菅総理辞任3条件」となった「再生可能エネルギー法案」の審議を優先させたという事情もありますが、「附則」の見直し規定は「不測の事態」を起こしやすいということだと考えます。
もちろん、平成21年度国税改正法の付則104条の「政府は、消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする。」とあります。だから、消費税増税法は2012年3月30日に国会に提出されています。「政府は、平成23年度までに必要な法制上の措置を講ずる」のですから、平成23年度最終日の1日前に法案を国会に提出した時点で、この附則104条が守られたわけです。
そして、この「附則104条」には、財務省がていねいな解説書をつくっており、下のホームページで今も見られます。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2009/explanation/pdf/P532-P538.pdf
野田佳彦さんは、民主党マニフェストよりもより大きく日本国を縛る法律の附則を守ったということになります。そして、政権交代直後は、財務副大臣でしたが、財務大臣、内閣総理大臣となって、「近いうち解散」に踏み切ったわけです。
この過程で、野田さんが財務省に完全に乗っかっているのは、昨年の厳しい消費税政局でひっしに私が支えているときから、私自身も当然気づいていました。
ひるがえって、維新の会や、みんなの党は、特定秘密保護法案の附則の修正協議で満足していると、それぞれの「我が党」にとっても、国にとっても、結果的に結果的に跳ねかえてくるかもしれません。
[参考]
公正取引委員会・国会提出法案
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