【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

特定秘密保護法案、党首討論で各党の意見をつまびらかにすべきだ 

2013年11月23日 16時03分48秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法

 第185回臨時国会は残り会期2週間となり、来週が衆院通過のヤマ場となります。

 特定秘密保護法案については、報道によると、自民党とみんなの党が党首会談(非公式、夜日程)で修正協議がととのい、さらに、自維公み4党による修正協議もととのったとの報道があります。ただ、維新の会で来週前半の採決に慎重との報道もあり、とても情報が混乱しています。

 最終盤国会を迎えるにあたり、来週国家基本政策委員会の衆参合同審査会を定例の水曜日(2013年11月27日)午後3時から、党首討論(QT)をやるべきでしょう。

 第23回参院選で日本共産党が参議院で11議席となり、交渉会派(議運理事)となったことから、黄金の3年間の党首討論は

 「安倍自民党総裁vs海江田民主党代表」、
 「安倍自民党総裁vs石原維新の会国会議員団代表」、
 「安倍自民党総裁vs渡辺みんなの党代表」、
 「安倍自民党総裁vs志位共産党幹部会委員長」 

 の4ラウンド制になりました。2002年の民由合併(みんゆうがっぺい、自由党の解党方式による個別の民主党全員入党)後は、自民党総裁vs民主党代表という1対1の、英国方式となっていましたが、その後、は複数の野党党首が総理に対決する格好になっています。45分間という時間の見直しも話し合われています。

 また、野党(政権準備政党)とはどうあるべきか。私は二大政党は、政党法人格が2つがいいとは断定的に考えておらず、比例代表も活用した政党ブロック的な発想があっていいという考え方に変わってきています。その辺を、黄金の3年間に考えるきっかけとなる、「4ラウンド制」だととらえたいです。また、伝統的な「野党第一党」という表現よりも「最大野党」という表現がマスコミで使われるように、この2013年はなっています。

 私は、特定秘密保護法案は、審議未了廃案にした方がいいとは思います。ただ、27日(水)午後3時から、QTがあって、28日の衆本会議通過でも、参院は会期末の12月6日までにぎりぎり時間が間に合う可能性がありますから、与党も柔軟に考えるべきでしょう。

 海江田万里民主党代表はきのう22日(金)の臨時記者会見で、当ブログの質問に答え、「党首討論はぜひやりたい」と語っています。 


「医薬品インターネット解禁法案」「消費者集団訴訟法案」ともに廃案の情勢 経団連の息の根を止めよう!

2013年11月23日 15時37分01秒 | 第185臨時国会(2013年10~12月)秘密保護法




[写真]米倉弘昌・経団連会長の前であいさつする安倍首相(自民党総裁)=経団連トップページから。

 悪の枢軸=経団連。

 民主党政権の内閣府のチームが検討した報告書にもとづく、「消費者の財産的被害の集団的訴訟による民事訴訟特例法案」(183閣法60号)は、2013年11月1日(金)の衆議院本会議で、自民党・民主党・公明党の共同修正を全会一致で可決し、参議院に送りました。

 ところが、参議院で、3週間にわたり、委員会の趣旨説明すらされず、審議されない状況が続いており、12月6日会期末まで残り2週間で、審議未了による廃案になる可能性が出てきました。衆議院で全会一致で可決した法案が参議院で3週間も審議されないのはきわめてまれ。

 この理由について、参議院民主党の問い合わせに対して、参議院自民党は「森まさこ消費者問題担当大臣が特定秘密保護法案の答弁をしている期間は、いっさい体をあけられない」という趣旨の答えをしています。

 森大臣は消費者庁という「省の大臣」であり、職員の人事考課もする、まさに社長ですから、本業をしっかりやってほしいところです。

 衆・消費者問題特別委員会では、参考人質疑をしています。だからといって、参・消費者問題特別委員会でも参考人質疑をしなければならないわけではなく、森大臣の趣旨説明、質疑答弁まで突貫工事で間に合わせることはできるでしょう。仮に会期末になると、参院なので廃案になり、来年の通常国会では、ふたたび衆参両院の審議が必要になり、法律成立は早くても4月~5月の連休前後まで半年ずれ込みます。

 衆院の参考人質疑では、4人出席しています。

 このうち、経団連の阿部泰久・本部長は次のように述べています。

 「そういう意味では非常に工夫された法律案だとは考えておりますが、しかしながら、民事訴訟制度に関する新たな特例の導入ということでございます。制度の設計や運用次第では濫訴の懸念があるということでございます。その結果、健全な事業活動が萎縮されるようなことになってはならないと思っております。」

 「できれば法律案の修正の期待をしたいわけでございますが、仮に法律案が変えられなくても、その後の対応を政省令、監督指針等でしっかりとお願いしたいと思います

 つまり、経団連として、法案に反対しないが、仮に成立しても、政令(自民党大臣が決定し天皇陛下が公布)、省令(霞が関の省が伝達)、監督指針等(法律などにもとづかない霞が関の自主基準)で巻き返す、ということを経団連は言っていると考えていいでしょう。

 羽田内閣が退陣直前に成立させたPL法(製造物責任法、平成6年法律85号)について、経団連本部長は「先ほど、端的にございませんと答えましたが、そのような訴訟が勝ったことはないという意味でございますので、提起自体はざらにあると思います。」と答弁しました。これは共産党議員の猛追及の結果出たもので、羽田内閣が成立させたPL法で、被害者の告訴はたくさんあるものの、被害者が勝訴したことは一度もない、と経団連が認めた答弁です。

 森大臣が本業を離れて、特定秘密保護法案の答弁担当になったのが、このような経団連としての廃案圧力の陰謀論、というのはさすがに考えすぎでしょう。

 とはいえ、経団連としては、うまくいけば廃案。仮に成立すれば、霞が関を使って政省令でいくらでも巻き返せると高をくくっているのでしょう。まして、政令は天皇陛下の署名で官報に載りますから、より悪質です。

●インターネット医薬品販売解禁法案も廃案へ、参・厚労委が「プログラム法案」未審査

 一方、インターネットでの医薬品販売を解禁する薬事法・薬剤師法改正法案(185閣法21号)が今週20日(水)から衆・厚労委で審査されています。ただ、参・厚労委では、社会保障制度改革プログラム法案(185閣法2号)が来週以降、審議入りする予定。定例日は合計4日間しかない状況です。この「インターネット医薬品解禁法案」は、「厚労省が法律でなく通達行政(裁量行政)をしているのは憲法違反(違憲行政)だ」と最高裁勝訴を勝ち取ったケンコーコム社長が「法案が不十分だ」と、反対にまわっています。質疑でも、野党からも、薬害懸念、対面販売の重要性が指摘されています。こちらは、新経済連盟、与党、野党が慎重な姿勢になりながら、厚労省の政府参考人が「この法律ができれば裁判は大丈夫だ」と答弁することになっています。

 このように、経団連は、法律ができても、霞が関で巻き返す術を知っている。新経連は若いから、意図と逆の法案が出て、「法案に反対」という分かりにくいメッセージになっているようです。

 会期末に向けて、永田町・霞が関・大手町による、自民党政治の大きな問題点が浮上してきました。


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