[写真]うろこ雲の安倍官邸、2013年10月31日(木)、筆者撮影。
<このエントリーはアドレスをhttp://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/6414196b96656ffc7dfd1bed1862bcecから今のものに移しています。ご了承ください。2013年11月2日(土)午後8時追記>
【衆議院本会議 2013年11月1日(金)】
第185回国会は召集第3週目となり、金曜日の定例本会議で、3つの法案が衆院で可決し、参院に送付されました。
まず、「消費者被害の集団的回復のための民事訴訟特例法案」(183閣法60号)で、通常国会積み残しを、民主党の郡和子さんら自・民・公共同提案の修正(郡修正)のうえ、全会一致で可決しました。修正の内容は「法施行後5年後に見直す」を「3年後に見直す」などとしたもの。3年後に見直す消費者庁担当大臣は、はたして、だれ?
次に、「自衛隊法改正法案」(183閣法63号)が、自・民・公・維・み・生の6党賛成で可決。委員会の段階で6党による附帯決議もついています。
そして「電気事業法改正法案(電力システム改革プログラム法案)」(185閣法1号)も自・民・公・維らの賛成(みは反対)で可決しました。先の通常国会での民主党の近藤洋介さんによる衆院修正を反映して、政府が今国会に提出したものです。
本会議は3つとも賛成。
[写真]記者会見する松原仁・民主党国会対策委員長、2013年11月1日(金)、民主党ホームページから。
この後、夕刻の衆・厚生労働委員会で「薬事法を改めて、医薬品・医療機器の安全を確保する法案」(第183閣法73号)が各党の起立多数(共反対)で原案通り可決。速やかに民主党の柚木道義さんが「薬害の検証をもっとしっかりやるべし」との附帯決議(案)を出し、全会一致で可決しました。さらに、厚労委では、「再生医療の安全を確保する法案」(第183閣法74号)を原案通り全会一致で可決しました。ともに来週の本会議で可決します。
このように民主党は修正したり、附帯決議をつけながら、全法案賛成で、衆参ねじれ解消黄金の3年間の野党第1党としてスタートしました。
これを見てか、与党・公明党の古屋範子さんが民主党のみを名指しで「賛成してください」と壇上から呼びかける場面がありました。
[画像]公明党の古屋範子さん、2013年11月1日(金)、衆議院本会議、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
本会議では「社会保障制度改革プログラム法案」(185閣法2号)が審議入りし、夕刻に厚労委でも趣旨説明されました。
古屋さんは「この法案は消費税増税の前提になる社会保障と税の一体改革3党合意に基づくものです」とし、法案の正当性を主張したうえで、質問演説を「ぜひ、民主党に賛成してほしい」と締めくくりました。
これは、自民党と公明党の2党で衆参過半数をもっていて法案は成立するものの、消費税増税の共犯者に民主党を巻き込もうというものです。しかし、自公政権は官僚主導で、国民会議報告書で、最低保障年金の文字にふれず、「所得比例年金は中長期的課題だが、2段階のアプローチが必要だ」とし、2段階目のアプローチの方法をまったく示さないという不誠実きわまりない対応をとりました。
2階にはしごで避難させながら、はしごを外されたようなものです。当然、この法案は反対するしかないでしょう。
それを見越してか、古屋質問の1人目の維新の足立康史さんは「総選挙で民主党が大敗しているから(3党合意にもとづく)国民会議の正統性は失われている」とゆさぶりました。私は3党合意は有効だし、それに基づく一体改革8法は、天皇陛下が公布しており有効だと断言します。しかし、最終報告はいただけない。
このほか、衆・文部科学委員会では「高校授業料無償化を見直し所得制限をかける法案」(185閣法7号)が下村博文文科相(兼)五輪相(清和会)が趣旨説明しました。11月8日(金)には参考人質疑もあるようですが、年収910万円で所得制限をかける、ということで、学校の先生の事務負担は重くなります。これも公明党が賛成しても、民主党は反対するしかないでしょう。
公明党は、民主党単独提出の「情報公開法改正法案」(185衆法1号)に載ったり、政権時の岡田克也行政改革相の閣議議事録検討チームをうけた公文書管理法改正法案、民法900条の婚外子相続差別を廃止する法案の3つの分野で公明党が民主党に協力しようとしていますが、そうは問屋がおろさない。いくら新進党仲間とはいえ、公明党は現在は自民党との連立与党。民主党は野党なんですから、自民党政権の法律成立にみすみす協力する必要などまったくありません。
11月1日(金)は、衆・財務金融委員会で「特別会計法の改正法案」(185閣法13号)、衆・国土交通委で「海賊多発海域での日本船舶への民間人警備員法案」(185閣法4号)、衆・環境委員会で「JNES(独立行政法人・原子力安全基盤機構)を解散して原子力規制庁を強化する法案」(185閣法16号)、そして上述のとおり、衆・厚労委で「社会保障制度改革プログラム法案」、衆・文科委で「高校授業料無償化を見直し所得制限をかける法案」が趣旨説明されました。
環境委では質疑もありました。
すでに趣旨説明済みでは、衆・国家安全保障に関する特別委で「日本版NSC設置法案」(183閣法75号)、衆・法務委で「自動車運転重過失処罰強化法案」(183閣法52号)も審議されました。法務委は、質疑の終局を宣言したうえで散会しましたので来週、なんらかの修正案の提出などがあったうえで、法案採決になると思われます。
参議院も来週早々から、さっそく本会議の衆院送付法案の趣旨説明で動き出すはずです。
民主党、実りの秋とはいきませんが、雑草を刈りながらも、野党第1党の地位は盤石になりつつ気配が出てきました。
民主党は2013年10月30日(水)の第597回常任幹事会で、第47回衆議院議員総選挙の第1次集約第1次公認者を決定し、衆院小選挙区総支部長に就任させました。就任者については、すでに、電話ローラー作戦、街宣活動、SNSなどで、選挙区の党員・サポーターは御存じかと思います。活動費も出ますので、年末年始の行事をこなしながら、そこそこ個別訪問、そこそこ読書などをしながら、国政復帰をめざします。なお、今回の決定では、野党の現職議員に得票で劣った元議員2人も公認内定しました。
また、5年前に現職議員ながら1次公認漏れで2次公認となっていた、末松義規さんは、今回は一発で1次集約1次公認となりました。
今回の公認漏れ者には、あきれたことに、現職時代に個別訪問をほとんどしておらず、落選後に選挙を手伝ってくれた人へのお礼参りすらしていない前議員がいることが、連合地方協議会などからの馬淵澄夫選挙対策委員長のヒアリングで判明しています。
民主党は12月にも、第1次公認候補内定者の第2次集約をします。ここで、50人前後が追加されます。馬淵選対委員長は、尻に火がついて日常個別訪問を始めたり、地方議員・党員から嘆願状が出たりした前議員は第2次集約で公認し、12月分の活動費の支給の伝票を書きます。
ここで第1次公認に漏れた場合は、総支部を年内に解散する必要があります。政治資金規正法は12月ジメで、とことんクリーンでオープンな民主党としては、総支部解散手続きの遅れは致命的。2010年参院選の2人区で公認された小沢ガールズに関しては落選直後にほっぽり返してしまい、県連幹部の衆院議員事務所がお尻を拭くことになってしまいました。
そこで、民主党の古本伸一郎・組織委員長が県連の実務者を集めた実務研修会を2013年10月31日(木)から11月1日(金)にかけて都内で開いています。これには寺島義幸・自治体議員局長も参加しました。古本さんの愛知11区、寺島さんの長野3区は、小選挙区導入以来、民主党が6連勝している選挙区で、それぞれ、伊藤英成さん、羽田孜さんから地盤を非血縁者の古本さん、寺島さんが継承しています。
なお、古本さんは、自民党の全国組織委員会の研究をしています。ただ、公明党の地方議員が一つ一つの支部を持ち、「支部会」という党員集会に、地域の衆院議員、参院議員を呼んで、国政報告をしてもらい、話し合うという仕組みも興味深いと考えます。
とにもかくにも、個別訪問しかありません。個別訪問をしないような者は、衆議院においては公認すべきでありません。
以下は、民主党ニュースからの引用ですので、よくお読みください。
民主党は31日から2日間の日程で都道府県連実務担当者研修会を東京都内で開いた。支部の設立・異動・解散の手続き、経理、党員・サポーターの定時登録の手続きなどについて主に都道府県連事務局の担当者を対象に実務研修を行う。
初日の開会あいさつに立った古本伸一郎組織委員長は、「先の衆院選、参院選で惨敗を喫した中で、多くの県連では財政的にも大変だろうと思うし、国会議員がいなくなった県連では、対外活動でも大変不自由していると思う。実務として皆さんにぜひお願いしなければならないのは、年末までに行っている第1次の公認内定から漏れた前職について、総支部を清算していただかなければならないということ。その矢面に立つのがまず皆さんだ。そうした仕事が全面化するのに先立ち、実務の研修を受けていただきたいと思い、今回の講座を設けた」と研修会の趣旨を説明。「民主党の地域における根城、地域に民主党の旗を立てていくうえでの拠点をどう守るかという観点から財源や人材も含め党本部としても誠心誠意当たっていきたい」と述べ、党の地方組織の再建・強化に向けて党本部として全力を挙げる考えを表明した。
寺島義幸自治体議員局長もあいさつに立ち、「私は地方議会が長かったので、どうしても地方に思いがはせてしまう。皆さま方の気持ちはよく分かるつもりだ。今大変厳しいご意見などをいただいているが、もう一度政権交代可能なしっかりとした民主党に生まれ変われるように、私どももがんばっていくが、都道府県連の立場から支えてほしい」と話した。
[写真]民主党国会改革プランを「やはり民主党はろくな政党でない」とこき下ろす、町村信孝・清和会会長、2013年10月31日(木)=NHKニュースから撮影。
ボス猿マッチ―、町村信孝・清和会会長が、配下の議員にいきがりました。
自民党の最大派閥・総裁派閥の清和会は、31日木曜日昼、党本部で定例会合を開き、マッチ―こと町村会長は、民主党選挙改革・国会改革本部(本部長・岡田克也さん、本部長代行・大畠章宏幹事長)がまとめた民主党プラン「今後の国会改革の方向」について、こきおろし、「やっぱり民主党ってろくな政党じゃないな」と断言しました。
私が育った東京・下町では、学年が下の子供とつるんで先輩面しているだけで、同級生からはバカにされます。一方、外国人プロ野球選手で、オバンドーがセギノールより6歳年上なのに、パナマで幼馴染で野球を教えていたと聞くとそういうのもいいかな。だから年下のセギノールは両打ちができるのかなと感じたこともあります。
北海道開拓の英雄である町村家はどうだったのでしょうか。
マッチ―はことあるごとに、通産省の後輩の岡田さんに毒づくことで知られます。
岡田さんは2012年6月の記者会見で「石油部というところで私が計画係長、町村さんが石油企画官という、これはラインは一緒ではないのです。我々は総括ラインで、町村さんはもう一つ違うラインだった」とし、自分はメーンストリーム(主流)だったが、町村さんは傍流だったと明かしています。岡田さんは「石油ショックによるガソリン・灯油統制のための配給切符を印刷して倉庫にしまう」という秘密の仕事を管理しました。
これに関連して31日の衆・国家安全保障に関する特別委員会(委員長=額賀福志郎・平成研究会会長)の参考人質疑で、元内閣官房PKO室長の柳沢協二さん(防衛省)は、「ポスト争いは官僚の仕事のやる気にもなっている」としながら結果的に、イラク戦争当日に大量破壊兵器がない、という情報を誰一人つかめていなかったことを初めて明らかにしました。2003年3月20日の衆・本会議で岡田さんは「大量破壊兵器がない」可能性について小泉首相に質問しています。
一方、マッチ―は清和会会長でありながら、会員の福田康夫首相のもとで、内閣官房長官を務めました。自民党の歴史で唯一でしょう。このとき、2008年4月に「ガソリン1リットル25円値上げ法成立」の際には、祝宴を銀座の料亭であげる、という突っ込みどころ満載の世間ずれした自民党の姿を見せ、政権を失いました。
[画像]ガソリン値上げ法の成立の祝宴を上げた福田内閣の町村信孝・官房長官、東京・銀座、2008年5月1日放送の日本テレビニュースゼロから。
清和会会員は、町村会長をひきずりおろすか、あるいは退会して平成研究会(経世会)に入会する。それが気軽にできる自民党改革でしょう。
岡田さんがまとめた「今後の国会改革の方向性」は次の通り。岡田さんのホームページにあるPDFでもうちょっと詳しく説明してあります。
「今後の国会改革の方向性」
岡田かつや公式ホームページ内(PDFの案内)
民主党ホームページ内から、以下、引用
「今後の国会改革の方向」(要旨)
(1)国会審議の充実化と(2)国会運営の効率化
•いわゆる「通年国会の検討」――国会審議の活性化や即応性、法案審議の効率化等の観点から、「通年国会」を検討する。
•委員会審議の活性化――委員会定例日は原則委員会を開催することを明確化する。そのうえで、委員会審議は本来野党の時間が最優先されるべきとの観点から、野党審議時間の大幅増を求める。
•総理、閣僚の国会出席ルールの見直し――この見直しは国会審議の活性化の観点から行うものであり、総理その他の閣僚が恣意的に国会審議を避けるための方便とさせないために、与野党合意にもとづく厳格なルールづくりを行う。
•委員長手当等の見直し
•両院協議会のあり方の見直し
•参院の問責決議案の位置づけ検討
•形骸化している党首討論の見直し
•衆院本会議での押しボタン式投票導入の検討
•各種委員制度の見直し
•立法府情報の電子化(「電子国会」e-Diet)の検討
•国会の無駄なハコモノ一掃
(3)議員活動基盤の強化
議員歳費削減や議員年金の廃止などの改革は進んでいるが、一方で議員の活動基盤強化のための改革は見逃されがちである。国民の負託に応え、国会審議を充実したものにするために、優れた人材が国会議員を目指し、その能力を最大限発揮できる環境づくりを行う。
•立法補佐機能の強化
•立法府情報の電子化「電子国会」e-Diet)の検討
•議員退職後の措置の検討
(4)危機管理対応
閉会中や土日祝祭日でも、大規模災害等の非常時に国会が即座に対応できる環境を整備する。
•災害発生後の早期の国会機能回復計画の策定
•委員長代理の役割の明確化
•議員の東京滞在ならびに宿舎の機能強化
#kokkai 衆・総務委員会は一般質疑です。ところで、国会での、地方分権議論というのは、何十年の同じことを繰り返しているような感じで、かなりうんざりします。それをみていると、橋下維新が人気を集めるのは当然だと思います。
郡和子さんが衆・消費者問題特別委員会で質問。いかんせん、女性民主党衆院議員は3名しかいないので、民主党からの女性首相はかなり先のことになりそうです。#kokkai
衆・消費者問題特別委員会では、今国会から加わった維新の河野正美(かわの・まさみ=男性)さんが60分間質問。開業医で、お父さんが衆院議員経験があるそうですが、理想を持った議員で民主党中堅からも評価されている議員です。#kokkai
参・国土交通委、参・財政金融委は、それぞれの大臣らから施策に関する所信を聞いて散会しています。#kokkai
参考人→立命館大学客員教授 宮家 邦彦、NPO国際地政学研究所理事長 柳澤 協二、双日総合研究 上席客員研究員 永岩 俊道、慶應義塾大学教授 細谷 雄一(敬称略)。 #kokkai
【ニコ生タイムシフト予約(2013/10/31 14:30開始)】 #nicoch81 15:00~ 大畠幹事長定例会見 2013年10月31日日 nico.ms/lv157682026
山内康一さん【みんなの党)が質問。この人は、いつも斬新な発想があって、ハッとすることがあります。国家安全保障に関する特別委員会の参考人への質問です。#kokkai
みんなの党山内康一さん、「NSC担当首相補佐官を政治家から指名すると、目立とうとするから、止めた方が良い」と端的に指摘して、他党議員からも「よい指摘だ」とヤジ。#Kokkai
きょう夕方で2法案が採決へ。
衆・安全保障委は「自衛隊法の改正法案」(183閣法63号)。
衆・消費者問題特は、「集団的消費者被害の民事訴訟救済法案」(183閣法60号)。
今国会での法案の委員会採決は初めて。#kokkai
「小野寺大臣、法案可決に涙のシビリアンコントロール 自衛隊法改正法案」#kokkai blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/…
「民主党・公明党・自民党の3党修正で法案が可決 郡和子さん提出 集団的消費者被害回復法案」#kokkai blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/…