[写真]山中伸弥・京都大学iPS研究所長=ノーベル財団ホームページから。
<当初こちらにあった記事は、次のアドレスに移していますので、よろしければそちらもあわせてお読みください。http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/43b859940f6284d2bdabf5ac05185847 2012年11月2日(土)午前8時追記>
「再生医療安全確保法案」が2013年11月1日(金)夕刻の衆議院厚生労働委員会で、政府が提出した原案通り全会一致で可決しました。 火曜日(11月5日)の衆議院本会議で可決し、参議院に送られる見通し。
この法案は再生医療を臨床に使うときの規制を定めたもの。厚労省の規制というと、それだけ嫌な感じがしますが、再生医療安全確保法案は
(1)第1種再生医療 iPSなど
(2)第2種再生医療 体性幹細胞など
(3)第3種再生医療 体細胞など
にわけて、
(1)(2)は一定の規模・人員の病院が「提供計画」をつくり、特定認定再生医療等委員会の「意見を聴いたうえで」厚生労働大臣に提出するようもとめたもの。(1)のiPS細胞については、大臣が変更命令を出すことができます。(3)については、認定再生医療等委員会の意見を聴いたうえで大臣に提出します。
再生医療の過程で疾病がでた場合は、大臣に報告し、改善命令の可能性もあります。患者へのインフォームドコンセント(医療情報の提供体制)についても整えることになります。
「再生医療安全確保法案」とあわせて、薬事法(1960年施行)が半世紀たってタイトルが「医薬品・医療機器安全確保法」に変更するなどとした法案も同時に委員会を通りました。
一方、参議院厚生労働委員長は、参院選後、民主党から自民党に移り、石井みどりさんがつとめています。ただ、今国会では、先の通常国会で時間切れ廃案となった「生活保護法改正法案」と「生活困窮者自立支援法案」が参議院先議で再提出されています。再提出の法案は、衆院で修正可決した内容を反映したものになっていますが、この修正が甘くて批判があります。生活保護の新規申請者に「財産に関する書類」を提出させる改正ですが、市町村の窓口の事務負担が大幅に増えることが予想されます。また、そもそも生活保護申請者のなかには、そのような「財産に関する書類」を持っていない人も多い。
そこで、先の通常国会では「ただし、特別の事情がある場合はこの限りではない」との文言を入れて修正しましたが、この修正にも批判があり、参院厚生労働委員会での審議は難航が予想されます。
このため、参・厚生労働委が、「生活保護法改正2法案」と「再生医療安全確保2法案」のどちらを先に審議入りさせるかが、来週の焦点になりそうです。
ただ、山中iPS先生がノーベル生理学医学賞を授賞した後に、法律ができることについてですが、臨床を前提にした法案なので、世界的には早く、今後、他国の参考事例になりそうだ、との自負が与野党厚生労働委員から出ています。
来年には、難病の認定を300程度(認定する難病については検討中)に充実させる法案も提出される見通しです。それも含めて、しっかりと安全な再生医療の確立で、ぜひ、少しでも安く、誰でも再生医療を受けられるようになり、製薬会社などもどんどん研究開発投資をして、新薬の開発を後押ししてほしい。
それが震災後ニッポンの最大の成長戦略です。
【追記 2013年11月2日(土)午前8時】
当初こちらにあった記事は、次のアドレスに移しました。ご了承ください。
http://blog.goo.ne.jp/kokkai-blog/e/43b859940f6284d2bdabf5ac05185847
【追記おわり】
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当ブログは山中iPSを発表以来、一貫して応援しています。
2007年12月22日付エントリー)[復活折衝]文科相、「山中iPSに100億円」を明言 5年間で
2007年11月21日付エントリー)【1兆円予算要望します】山中京大教授、皮膚から万能細胞「iPS」