【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎海江田内閣での日米ガイドラインやり直し「マニフェストに入れるのは難しい」集団的自衛権【追記有】

2014年09月02日 19時12分00秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[写真]海江田万里・ネクスト首相(民主党代表)、2014年9月2日(火)、民主党本部内、筆者(宮崎信行)写す。

 海江田万里ネクスト首相(民主党代表)は2014年9月2日(火)の定例記者会見で、日米防衛協力のための指針いわゆるガイドラインの2014年改定(今月末中間報告、年末調印の見通し)について、次期国政選挙の民主党マニフェストに「日米での再度のガイドライン見直し」を盛り込むことが可能かとの問いに「そこはなかなか難しいと思いますね、ハッキリ言いましてね・・・」と語り、2014年ガイドラインの見直しを公約に、政権交代することは不可能との認識を示しました。

 第1次与党期民主党のスタートが、東アジア共同体でつまづいたことを念頭に置いた発言。

 日米の外相・防衛相らは副大臣クラスで、今月末から10月初めの2014年ガイドライン改定の中間報告をすることで合意。この中で、「周辺事態での後方地域支援活動の補給活動での武器・弾薬の日本からの無償提供」「集団的自衛権の行使容認の閣議決定をふまえた共同の戦闘行為」などが盛り込まれるのではないかとの懸念が強まっています。

 海江田さんは「安倍総理は既成事実の積み重ねをしており、国会の議論もほとんどやっていない。あの15事例も(国会内での議論では)どこにいったのか。決定的に民主主義を理解していないやり方だ」としました。

 安倍首相は、5月15日の第2次安保法制懇からの報告書受け取り、7月1日の集団的自衛権行使の閣議決定、9月末のガイドライン中間報告、そして12月に1978年、1997年につぐ、2014年ガイドラインに署名する見通し。それから、集団的自衛権行使の自衛隊法・周辺事態法改正などの安全保障法制の再整備法案を、第188通常国会(2015年1月召集)に提出するはこび。今月の国連総会とは別に、10月に訪米して、中間報告をまとめるとの見通しもあります。

 海江田さんは「(第187回秋の)臨時国会を早く開くというのは当然のことだ。特別委員会も設けて、十分に集団的自衛権の関係、ガイドラインの問題を十分に時間をかけてやりたい」と話しました。

 安倍首相はあす3日内閣改造。それにあわせて野党も国会対策委員長会談を開いて、政府に対して、臨時国会の早期召集をもとめる署名活動(各院の4分の1以上)を始めることで合意する見通しです。 

【追記 2014年9月4日(木)午後6時20分】

 記者会見での一問一答は次の通りです。 

○日米ガイドラインの改定について

【フリーランス・宮崎記者】
ガイドラインの再改定は12月末をめどにしているが、今月末に中間報告を取りまとめることを日米の防衛副大臣が合意している。この中間報告の中で、現在のガイドラインの別表では周辺事態の後方地域支援活動における補給の中で「武器・弾薬は除く」とあるが、それを取るのではないかという一部報道がある。ここで中間報告が決まってしまえば、この後の最終報告もその方向になるだろうし、来年の集団的自衛権・安全保障の再整備の方向は完全にできると思うが、まず大枠で考えを伺いたい。
【代表】
安倍総理のやり方というのは、既成事実の積み重ねということで、沖縄の辺野古の埋め立ての問題も、沖縄県知事選挙までに既成事実を積み上げようというようなやり方をとっていると、私には見えるわけであります。
 その意味でいうと、閣議決定から始まった今回の集団的自衛権の行使の問題も、まず既成事実の積み上げ。既成事実を決めておいて、そして国会の議論もほとんど、はっきり言って行なわれませんでした。国会がこれから召集される、まだ、日付は決まっていませんが、私どもは、先ずしっかり議論しなければいけない。既成事実の積み重ねをやって、そして「これはもう決まったことだから」という形で議論をしないのは本当に大きな問題であるし、安倍政権の決定的に民主主義を理解しないやり方であります。
 これから臨時国会が始まればそこで、閣議決定との関係において、15事例の問題もどこに行ったのかという議論があります。ですから、そういった15事例の問題をしっかり議論するでありますとか、今おっしゃったガイドラインに向けての議論をしっかり国会でやるということで、その意味でも重ねて国会での特別委員会の設置を求めていきたいと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
9月20日ころに総理は国連総会に行かれると思うが、10月に再度訪米するのではないかという一部情報もある。ガイドラインの中間報告の決定は、臨時国会のうちにやってもらいたいとお考えか。
【代表】
私たちは、臨時国会の早期開会を、これは明日、野党の国会対策委員長の会合がありますから、ここで主張していくわけですが、安倍総理の再度の訪米は、まだ情報として持っていませんが、できるだけ早く臨時国会を召集してそこで議論することは当然のことであります。そして国会が始まれば、十分に集団的自衛権の行使の問題、ガイドラインの問題についても議論していくということです。十分に時間をかけてやっていくということです。
【フリーランス・宮崎記者】
17年前のガイドライン改定の際も、前の年に普天間基地の返還がクリントン大統領から電撃的に発表されて、翌年が改定だった。今回の中間報告で決まってしまったことを、次の総選挙でマニフェストに入れて「変えましょう」と国民に言うことができるのかどうか。鳩山内閣は「東アジア共同体」ということで完全に失速した。「ガイドラインを再び改定します」ということをマニフェストに入れることは可能とお考えか。
【代表】
これはなかなか難しいと思いますね、はっきり言いまして。そこが狙いかもしれませんね。




【追記終わり】