【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成26年度第1次補正予算案を第188通常国会に提出する可能性 逆に言えば、第187臨時国会で補正無し

2014年09月05日 23時59分59秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[画像]平成26年度当初予算の答弁にあたる麻生太郎財務大臣、右の愛知治郎参院議員は当時第2次安倍内閣の財務副大臣、2014年3月18日の参議院予算委員会。

(このエントリーの初投稿日時は2014年9月9日正午で、そこから、2014年9月5日付にバックデート)

 第2次安倍内閣第1次改造内閣でも、引き続き、副総理・財務大臣・金融担当大臣に留任した、自民党の麻生太郎さん(福岡8区、11期、73歳)は、再任後の定例としては初の閣議後の記者会見で、補正予算の編成・提出に初めて言及しました。

 先週2014年9月5日(金)の記者会見録が、8日(月)に財務省ウェブサイトに掲載されました。

 まず、発言の前提として、2年前の2012年通常国会で社会保障と税の一体改革法が成立し、公布されました。その年末に政権交代。黒田東彦・日本銀行(BOJ)総裁は就任直後のきょねん2013年4月4日から、マネーを倍にする異次元の金融緩和。安倍内閣の政令により、ことし2014年4月1日から消費税率を8%に改善。内閣府の新SNA統計によると、4-6月期の個人消費は当然落ち込みましたが、予想以上の落ち込む。在庫が積み上がり、設備投資まで大幅に落ち込みました。さらに7月以降も、住宅投資、自動車販売が戻らない状態になっています。それなのに、10年物国債の長期金利は0・5%を下回るというミステリー。

 5日の記者会見では次のようなやりとりがありました。

[財務省ウェブサイトから抜粋引用はじめ]

問)

 消費税と金融政策についてお伺いしたいのですが、来年法律に書かれたとおり消費税を10%に引き上げていける経済状態にしていくために現在緩やかな景気回復基調は維持されているとはいえ、まだ力強い経済というところまで至っていない中で、確実に10%に引き上げられる経済にしていくためにさらなる追加の金融緩和というものの必要性について、大臣どのようにお考えかお聞かせください。

答)

 これは今の段階で、すごくいい質問だとは思いますけれども、今の段階で来年10月に引き上げていくというのに対して今年12月一杯までに、予算編成の技術上、今年12月に大体決めなければいけないと。半年前だと4月になってしまいますので、その意味では今年中にということを考えてはいるのですけれども。直近の数字を見ればそんなに悪い数字でもありませんし、別に驚くような数字でもありませんので、その意味では私共としては形として今の状況で、これをしておかなければいけない、補正をあらかじめ組んでおかなければいけないとか、予算をとか予備費をとかというようなところを今から少し考えておかなければいけないところだとは思いますけれども、これはまだあと半年ぐらいありますので、12月までの間にいろいろな情勢をもう少し見ながら、もしもの時には準備をしておかなければいけない。その時に慌てないようにしておかなければいけないなとは思っています。

 

問)

 先程消費税の関連の質問のところで大臣は、もしもの時には準備をしておかなければならないというお話をされたのですが、これは景気情勢によりますが、万一の場合には補正予算を組んで景気対策をすることも視野に入れて検討されるという理解でよろしいでしょうか。

答)

 それはあるでしょうね。補正予算も1つの方法。いろいろな方法がありますから。経済というのは生きているから、簡単にぱっといけるようにしておかないと、タイミングが1つずれたら効果が半減する。だからさっと対応ができるようにしておく、準備だけはしておかなければいけない。

[抜粋引用おわり]

 というわけで、ここから分かる情報は2つ。

 逆に言うと、第187回臨時国会(今月29日にも召集される運びか)には補正予算案は提出されない見通しとなったこと。ただし、延長して補正予算を出すというシナリオはあり得なくはありません。安倍・麻生政権お得意の、10月あたりの午後6時に首相が景気対策のパッケージを記者会見で発表するシーンがあるかもしれません。ただし、補正予算編成は12月ということで、財務省主計局内の作業は、平成27年度本予算編成をしてから、その概算要求書を使って、平成26年度第1次補正予算案に「前倒しゾンビ復活」させて、閣議では、国会提出順に決定する。

 第188回通常国会には、平成26年度第1次補正予算と平成27年度当初予算案を、(ほとんど)同時に提出して、「15か月予算」と称する。これをやると、第46期衆議院の、第3次与党期自民党では、3年連続のパターンになります。補正成立後は速やかな執行を目指しますが、多くは契約しておいて実施は年度越えだったり、繰越明許費などで翌年度に送ったりするでしょう。

 財源は、25年度の法人税収は最終補正後に10兆円と計上(予想額に過ぎない)しています。26年度当初も10兆円です。これが25年度収納ベースで上振れしてくるでしょうし、26年度の上振れ予想もすれば、5兆円程度の財源は確保できるでしょう。

 なので、2015年1月提出、2月成立を目安に5兆円程度の補正があるかもしれません。ただ、本来なら、2月・3月だけで全額執行すべし。ただ、2月・3月のGDPを上げること自体は、社会保障と税の一体改革法附則第18条の景気弾力条項にはあまり意味はありません。明許繰越前提の補正ということになります。

 民主党政権ならこんなことはしないでしょう。

 自民党政権の選択肢が少なくなりつつあるような気がします。 

 アヘン中毒患者みたいなもんですな。

tag (宮崎信行)

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