宮崎信行の「新・夕刊フジ」

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「公認心理師法案」再び提出

2015年07月08日 23時59分51秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年7月9日午前9時、その後、11日午後9時に加筆し再投稿し、その後、8日付にバックデートしました)

 自民党の河村建夫さん、公明党の古屋範子さんら超党派の衆議院議員が

 「公認心理師法案」(189衆法28号)を平成27年2015年7月8日(水)、衆議院に提出しました。

 国家資格として「公認心理師」 を新設する法案で、これまでの「学校心理士」と「臨床心理士」をあわせもつ資格となりそうです。

 法案が成立すると、年1回以上の試験で合格すると、「公認心理師」になることができ、それ以外の者が「公認心理師」「○○心理師」を名乗ることは法律で禁じられます。

 同法案は、昨年の第186回通常国会に提出され、6月に衆議院文部科学委員会で審議入りしました。同国会は、「宅建士」「特定社労士」など国家資格国会のようそうを呈しましたが、公認心理師に関しては、団体と政治とのつながりがまだ薄いこともあり、継続審査のうえ、次の国会の途中で衆議院が解散され、審議未了廃案となっていました。

 今回提出された法案は、極めて技術的な修正が入っており、厚生労働省の所掌事務を変更する法案が成立した後の、書きかえなどが入っておりますが、実態はまったく同じ法案と言ってかまいません。公認心理師と、学校長あるいは病院長・理事長との関係をもっと強くすべきだという議論があるようにも聞いていますが、施行後5年以内の政府による見直し(法案の中に記載)に残された宿題になるかもしれません。

 公布から起算して2年以内の政令で定める日に施行。

 今後の審議の見通しとしては、文部科学は遠藤・新五輪相への質疑の後、とくだんの法案はありません。しかし、「臨床」分野を監督する厚生労働が、多くの法案を抱えていることから、「連合審査会」などの日程が立てづらいとみられ、9月27日(日)の会期末までに成立するかどうかはハッキリとはいえません。

 外野からのアドバイスですが、政治家と近い業界団体が現在あるわけではないのですから、臨床心理士・学校心理士らが心を一つに団結することができるかどうかが、今国会(9月27日)に衆参両院で審議を終え、採決を迎えられるかがすべてだと思います。採決になれば、もともと超党派提出なので、可決・成立は確実です。

 このエントリーは以上です。 

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 2007-2015

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衆安保特、民維提出の2法案が即時付託で趣旨説明 参本で労働者派遣法審議入り「均等待遇」修正?

2015年07月08日 19時18分29秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年7月8日(水) 衆議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】

 「2015ガイドライン国内実施のための安保2法案」(189閣法72号、189閣法73号)の対案として同日それぞれ提出された2つの衆法が即時付託され、夕方に趣旨説明されました。

 維新の党の今井雅人政調会長は「維新の党対案の2法案」(189衆法25号と189衆法26号)を「存立危機事態にかえて、武力攻撃危険事態を設ける」と説明。

 民主党の大島敦政調会長代理は「民主党・維新の党共同提案・領域警備法案」(189衆法27号)を「闇にまぎれた武装漁民に対処するなどのグレーゾーンへの対処について、自民党政府は運用の改善のとどまり、今次改正法案に盛り込んでいない」と趣旨説明しました。

 民主党第1次与党期野田内閣は、もともと、日本平時からの離島防衛での在日米軍の協力を期待して、日米合同委員会を開きましたが、自民党第3次与党期第3次安倍内閣のことし4月27日にできた2015ガイドラインはまったく違ったものになってしまいました。

 維新の党の重徳和彦さんが、議員立法が出た場合、今後必要な審議時間を中谷元防衛大臣に問うたところ「御党が法案を出せばしっかりと審議したい」と答弁しました。おそらく100時間前後の追加が必要との考えでしょう。また、2つ議題が増えたので、地方公聴会もまたやった方がいいでしょうね。

 午前9時から委員会が開かれて、その後昼までに衆議院事務総長に提出した2つの衆法を、即時付託して、午後5時過ぎに趣旨説明演説までいったのは、おそらく憲政史に残る出来事だと考えます。野党も十分に力をつけてきました。

 とにもかくにも、くよくよしないで、前へ。一人一人が日本の国に貢献できることをちょっとだけでも考えましょう。

 あさって、10日金曜日午前9時から。議題は、4法案になりました。

【同日 衆議院法務委員会】

 刑事訴訟法改正案(189閣法42号)。きょうは「裁量保釈にあたっての参考人質疑」でした。ジャーナリストの江川紹子さんらに、山尾志桜里さん、井出庸生さんらが質疑しました。

 ◇

 ところで、法案とはまったく違う話ですが、トヨタ自動車初の女性、外国人役員が、麻薬取締法で逮捕されていました。役員を辞任しました。そして、きょう保釈されました。これが「起訴猶予」。 起訴、不起訴のほかに、起訴猶予がある「起訴便宜主義」はおそらく世界で日本だけのものです。さらに日本には、起訴独占主義があり、誰が手掛けた刑事事案でも、起訴する権限は検察官にあり、その検察官はすべて東京・霞が関の法務省一括採用です。とうてい法治国家とはいえず、改善すべきだと考えています。

 ◇

【同日 参議院本会議】

 先月19日に送付されてきた、「労働者派遣法改悪法案」(189閣法43号)が審議入りしました。

 塩崎厚労相が「9月1日施行だ」と趣旨説明。質疑に立った、自民党の羽生田俊さん(全国比例=日本医師会)は「正社員と非正規の人数を見ても木を見て森を見ずの議論だ。多様な働き方の一類型として、臨時的・一時的でなく、将来にわたって派遣で働けるようにすべし」と平然と演説し、激しい野次を浴びました。 

 民主党の津田弥太郎さんは質問演説で「均等待遇(同一労働同一賃金)は派遣法の肝である。総理は、職能給が中心の日本では実現できないと主張しているが、韓国では職能給があるのに均等待遇が実現している」としました。これからすると、参議院では審議未了廃案を目指すよりも、法案の中に「均等待遇(同一労働同一賃金)」を書きこんでいる作戦に切り替えるのかもしれません。

 いずれにせよ、改正法律の施行日は9月1日(火)に来ます。今国会の会期末は9月27日(日)です。改正法の施行の阻止は極めて困難な情勢であり、専門26業務の雇い止めもすすむでしょう。ただ、その情報を厚生労働省が集約し、衆参とも国政調査することによって、今次改正法案の最大のねらいである「正社員ゼロ」と「生涯ハケンで一生搾取」を食い止めるための、次の改正法案につなげてほしい。

 これに先立ち、きのうの、参議院行政監視委員会が起草した、「政策評価制度の確立に関する決議」(189決議2号)を投票総数236、賛成236、反対0の全会一致で採択。

 趣旨説明の後、採決。

 「改正特区法」(189閣法65号)は投票総数236、賛成159、反対77で可決し、成立しました。公布の日から起算して3か月以内の政令で定める日に施行。

【同日 衆議院内閣委員会】

 古屋圭司・自民党衆議院議員ら提出の「ドローンの国の重要施設上空の飛行禁止法案」(189衆法24号)が議題に。まず、民主党の泉健太さんが修正案を提出し「安全保障関連施設と、原子力事業所を加える」とました。原案と修正案をともに審議し、採決。修正案は共反対、自公民維賛成、原案も共反対、自公民維賛成となり、修正可決しました。

【同日 衆議院厚生労働委員会】

 「社会福祉法改正案」(189閣法67号)の法案審査が続き、やや台風の目のような雰囲気となっています。

 自民党の白須賀貴樹さんは2期生で39歳ですが、先日の資産公開で、賃貸住宅を一棟ごと持つなど、レンテ(賃料)だけで生活できる政治家であることが明らかになっています。白須賀さんは「私は早くして親を亡くした。3分間でできる親孝行に、入れ歯を洗浄してあげることがある。ポリデントで洗うと、誤嚥性肺炎を防ぐことができる」と切り出しました。

 その後、「私自身、社会福祉法人を設立した経験があります。まず、理事メンバーというものを集めないといけないのですが、どういう保育園をつくりたいかをまとめないといけない。私と同じく妻も歯科医だが、保育園の経験があるので、入ってもらった。それ以外は青年会議所(JC)の仲間に入ってもらったが、準備委員会を立ち上げて寄付行為を数千万円しないといけないが、これには連帯保証人がいる。これは親族ではないので、探すのが大変だ」とし、「言われているほど社会福祉法人は楽ではない」としました。

 そのうえで、「ただ、大手は公認会計士と契約しているからいいが、中小は大変だ」として、今次改正法案が求める財務資料の作成などのガバナンス強化での配慮を求めました。こういった白須賀議員のような人は、自民党は世襲議員が出世しますので、政権交代ある二大政党政治のために、民主党にも来てほしいところです。民主党の中島克仁さんは診療所を経営しています。

 なお法案に関係して、日本年金機構の水島理事長が参考人として「漏れた年金」の答弁にあたりました。

【同日 衆議院文部科学委員会】

 閣僚枠を拡大して、初入閣した、遠藤利明五輪相の所信表明演説がありました。この後、副大臣1名、政務官1名があいさつしましたが、各々、東日本大震災復興と、五輪、そして文部科学省を兼ねる格好で、進めていくようです。

【同日 参議院東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会】

 一般質疑がありました。 

 東京電力の広瀬代表取締役が参考人として、東京電力福島第一原子力発電所事故の鎮圧作業について答弁。国会議員から「国費を投じていることを忘れるな」と釘を刺されました。

【同日 法律公布】

 「国立研究法人放射線医学総合研究所(放医研)を量子科学技術研究開発機構に改める法律」(189閣法35号、平成27年7月8日法律51号)が公布されました。平成28年4月1日(金)施行。共反対、自公民維賛成。衆院段階で民維修正案が出ましたが否決され、両党は原案に賛成しました。

 「改正活火山特措法」(189閣法74号、平成27年7月8日法律52号)が公布されました。6か月以内の政令で定める日に施行。衆参とも全会一致。提出が5月29日(金)と遅かったのですが、複数の噴火があり、迅速審査の機運が与野党で盛り上がったようです。

 「建築物の省エネ向上法」(189閣法58号、平成27年7月8日法律53号)が公布されました。1年以内の政令で定める日に施行。住宅に関しては初めての省エネ規制になりますが、まずは対象は大規模オフィスにになります。衆参とも全会一致で成立した法律です。

きょうは以上です。

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岡田克也民主党代表と松野頼久維新の党代表が会談し「足並みをそろえる領域警備法案を共同提出【再追記有】

2015年07月08日 11時56分22秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

(このエントリーの初投稿日時は2015年7月8日午前10時半)

[画像]岡田克也民主党代表(右)と松野頼久維新の党代表(中央)、衆議院インターネット審議中継から筆者(宮崎信行)がスクリーンショット。

 民主党代表の岡田克也さんと維新の党代表の松野頼久さんは、平成27年2015年7月8日(水)午前10時10分過ぎから、国会内委員長室で党首会談をしています。

 両者の党首会談は、就任あいさつ回りを除けば初めて。

 議題は政府が提出した「2015年日米ガイドラインを実施する安保2法案」(189閣法72号・189閣法73号)への、維新の党の対案「武力攻撃事態法改正条項の存立危機事態をとり、個別的自衛権の事態に改める内容」の提出と、民主党と維新の党が、政府原案の隙間を埋める「領域警備法案」(昨秋の臨時国会で民主党単独提出)の2法案の提出と、そのタイミング、採決日程をめぐる認識をすり合わせているものとみられます。

【追記 2015年7月8日午前11時過ぎ】

 午前11時のNHKニュースによると、民維代表会談で、「足並みをそろえる」との認識で一致し、領域警備法案(189衆法おそらく26号)を民維共同で衆議院に提出しました。
 
 これに先立つ同日朝、当初の予定通り、維新の党は、政府原案(189閣法72号)の「存立危機事態」を手直しした、「武力攻撃事態法など改正案」(189衆法おそらく25号)を単独提出しました。

 なお、ニュース映像によると、国会議事堂内中央部委員長室の会談には、岡田代表には代表代行の長妻昭さん、松野代表には幹事長の柿沢未途さんが付き添いました。

【追記おわり】

【再追記 2015年7月8日午前11時半過ぎ】

 FNNスピークが報じたところでは、松野さんは「どういうボタンの掛け違いがあったのか」と語り、前日の、柿沢幹事長、馬場信幸国会対策委員長と、民主党の枝野幹事長、高木国対委員長との4者の会談でなんらかの認識の違いがあったことを明らかにしました。

 松野頼久さんは熊本1区6期、柿沢さんは東京15区3期、馬場さんは大阪17区2期で政治団体「大阪維新の会」の構成員。


[写真]民維代表会談にのぞむ、左から、柿沢幹事長、松野代表、岡田代表、長妻代表代行=2015年7月8日放送FNNスピークから筆者撮影。


[写真]民維代表会談のあと、「どういうボタンの掛け違いがあったのか」と語る、松野代表=同。



[写真]「決裂」と報じられた、前日の民維幹事長・国対委員長会談、左から馬場信幸国対委員長、柿沢幹事長、枝野幹事長、高木国対委員長=民主党ニュースから。

 馬場伸幸・維新の党国会対策委員長は、当初会期末直前に、自民党の菅義偉・内閣官房長官と会っていることから、自民党政府官邸から、内閣官房共通費の報償費、いわゆる官房機密費を受け取ったことは間違いないと思われます。

【追記おわり】

このエントリーについては以上です。

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