[画像・写真]左は、伊達忠一議長(中央)の退席を待つ、安倍内閣閣僚=2017年11月21日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット=、右は、同じ場所、2017年5月20日宮崎信行撮影。
【参議院本会議 平成29年2017年11月21日(火)】
正直言って、やる気ないんですけど、政治関係はそういう風にいうと、足元をすくわれることもあります。賢者は世を避く(論語)は私の座右の銘です。不貞腐れているとけなされることもありますが、そういう人は消えていきます。再来年の参院選まで、どうしようかというところです。野党分裂の経緯は、数十年、国会史に心理的な尾を引くでしょう。
安倍首相の所信表明演説に対する代表質問がありました。民進党の大塚耕平代表は、経済政策を交えて質疑しました。これまでの民進党にはありませんでしたが、これはひとえに、代表が交代しただけであって、党そのものが変わったわけではありません。また、保守とリベラルは対立する概念では無い、と語りました。
自民党の橋本聖子参議院議員会長は、「衆院選での自民党への支援は、安定した政治基盤を求めるもので、そのもとで、良識の府である参議院も政策本位の建設的な議論をしていきたい」。まったく正しい分析であり、正しい抱負だと感じました。
参議院では、議長が退席する際に、閣僚が待ちますので、そのようすを、上の画像につけました。
【参議院懲罰委員会 同日】
蓮舫さんが、懲罰委理事になりました。40歳代での懲罰委理事就任は異例。
【衆議院本会議 同日】
代表質問の最終日。
公明党はいつもの通り、井上義久幹事長で、衆議院議員団の中で不満はないのでしょうか。井上さんは「教科書無償配布は、貧しい家庭の小6が先生に提言し、その先生が参議院議員(東京地方区の柏原ヤスさん)になって実現したものだ。公明党の小さな声を聞く力が、生かされた」としました。私見では、G7のうち、5カ国は教科書貸与制であり、図鑑のような教科書を、毎年1人が借りていく米国型にした方が良いと、私は米国で教育を受けた経験がある者として、30年来思っています。井上さんの質疑の最後には、「憲法はどうした?」との野次が飛んだようでした。
無所属の会は、岡田克也さん。インターネットの上の反応では「オカラかつや」「無所属の会なら民進党籍抜けよ」ということで、無所属の会のことは、案外知られているようでした。
[画像]岡田克也さん、2017年11月21日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
岡田さんは「米国にひたすら追随する安倍外交は日本の国益を損ねている」と主張。私はちょっと驚きましたが、岡田さんの言う通りだと考えます。
岡田さんは「人口減少を国難とする総理の認識は正しい。結婚を望みながら経済的理由で結婚をあきらめている人が多い。労働者派遣法の改正は間違った政策である」と主張しました。この後、答弁に立った安倍晋三首相(自民党総裁)は「労働者派遣法は勤労者の待遇改善と無期雇用を推進するためであり、改悪ではない」と答えました。岡田さんは「財政健全化の具体策に触れていない」としました。これに対して、安倍首相は「2020年以降のプライマリーバランスの黒字化は困難だが、目標の旗は降ろしていない」と答弁しました。2020年PB黒字化をあきらめた発言で、ひょっとすると初出かもしれませんね。私は個人的には、「2020年黒字化」はそんなに意味の無い政策課題だとは思っています。
日本共産党の志位和夫さんは、前置きなく、のっけから、加計孝太郎さんの証人喚問を求めました。
維新の馬場信幸幹事長は、「明治維新からたった150年。我が国を近代国家にするために命をかけた人がいるが、人口が右肩上がりだという前提が疲弊を招いている」と語りました。正しい歴史認識だと考えます。
なかなか、政策だけ聞いていると、どの野党を支持政党にするのか、難しいというところでした。ただ、立憲民主党が経済政策を主張していますが、いくらなんでも、成長戦略にまったく言及しない(言及できない)のでは、政権政党にはなれないと考えます。全体的に右寄りにシフトしてきたようにも感じられ、望ましいところだと考えます。リベラル立民の枝野幸男代表は、国民は政権交代のための合従連衡を望んでいないというのが時代の流れだ、と感じているそうです。それはたしかに、そうなのかもしれません。小党分立で、執行部は楽しくやればいいでしょう。いずれにしても、10年計画で、細川内閣のような連立政権での政権交代を目指すしかなさそうです。
この後、追悼演説がありました。木村太郎さんに対して岩屋毅さん、長島忠美さんに対して谷公一さんが追悼演説をしました。これを聞いていて、木村太郎さんが、自民党下野時にふるさと対話集会を提案する一人となり、70か所を訪問。公民館で十数人とマイクを使わず車座になり、選挙区でない議員も各地方を回ったという話を聞き、野党も真似したらいいと感じました。例えば、地方は疲弊していると言いますが、長野市南部では工業が栄えて、新しく人が増えている山村もあります。
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(C)2017年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki