【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【閉会中審査】衆参農水委が畜産物価格の決議、TPPとEPAの相次ぐ発効前に懸念

2018年12月11日 16時48分05秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

 第197回臨時国会はきのうで終わりましたが、改正漁業法をめぐって2番目に熱い委員会となった衆参農水委で閉会中審査がありました。毎年やっている、畜産物価格の維持に対する全会一致の決議で、これに先立ち、畜産物行政に関する一般質疑がありました。

 与野党問わず我ら農林族の意識が強く委員の入れ替わりも少ない「談合委員会」でしたが、11年ほど前から小沢一郎・民主党代表が持ち込んだ猫の目補助金農政対農業者戸別所得補償の構図で対立。その後沈静化しましたが、第2次安倍内閣以降、JA改革、農地改革などで対立が強まってきました。

【衆議院農林水産委員会 平成30年2018年12月11日(火)】

 立憲の石川香織さんは「12月30日にTPP11、来年2月1日に日欧EPAが発効する」として、「TGAも含めて、次々に自由貿易の波に押し流されそうだ」と指摘しました。亀井亜紀子さんは外交問題になっている「和牛精液の中国への流出だが、過去にもあったのではないか」と指摘。和牛精液に関しては、来年の国会で何らかの立法措置があるのではないか、との観測もあります。

 全会派一巡後に、決議案がいつも通り、石川さんから朗読され、全会一致で採択されました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 委員長解任決議が否決された記憶が新しい中、比較的波が静かな気配で開会しました。

 徳永エリさんは、昨日までの国会の外交防衛委員会で大野元裕さんが指摘した、日欧EPAで大きいボリュームをもつ、チーズに関して、ハード系熟成チーズ、ソフト系チーズなど新しい分類で交渉されていた点について。農林水産省はうまく答えられない事態が続きました。

 自由党の森裕子さんも、チーズに関する答弁について強調しました。

  最後にこちらも定番の田名部匡代さんの朗読で、畜産物価格の安定に関する決議がされました。衆が石川香織さん、参が田名部匡代さんということで、田中角栄の孫娘たちが、野党の農林水産族をやっている感じでした。

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