【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

改正水道法ついに成立、入管法、漁業法は、法務・農水委員長解任決議案で採決先送りも、与党、あすの委員会・本会議強行の観測

2018年12月06日 20時26分29秒 | 第197回臨時国会2018年12月までの「定例日無視延長なしのひどい国会」」

[写真]参議院の第1種常任委員会(財金委除く)が開かれる、参議院分館、きょねん2017年撮影。

 会期末は明日では無くて、来週月曜日の12月10日です。

 入管法改正案の委員会では、質疑の予定を消化した後、理事会を再開し、採決を提案したところで、横山信一法務委員長解任決議案が提出されました。その後、漁業法改正案をめぐって、堂故茂農林水産委員長解任決議案も提出されました。

 先の国会では厚生労働委員長解任決議案が提出されたものの、定例日外なのに事前にセットされていた議院運営委員会が「最大野党が賛同していないので受け付けない」と拒み、厚生労働委員会が再開されました。今回は、立憲、国民、共産、社民、自由、沖縄の風の共同提出。議運委も事前にセットされていませんでした。きょうの委員会採決は阻止しました。あす金曜日に本会議→委員会→本会議を強行した場合は、政府与党のイメージは悪くなるでしょう。

【参議院法務委員会 平成30年2018年12月6日(木)】

 「出入国管理法及び法務省設置法改正案」(197閣法1号)と「外国人労働者の出入国管理法案」(197参法69号)。

 朝の理事会では採決には同意せず、数分遅れで委員会が開会。総理入り質疑を終えた後で、暫時休憩。理事会を再開して、採決を提案したところで、委員長解任決議案が提出されました。あすの委員会は職権でセットされたようです。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「漁業法改正案」(197閣法8号)。採決も予想される中、岸宏・全漁連会長や、香川県庁の海区調整委員会委員長らを呼んで参考人質疑。午後は対政府質疑で、おそらく採決を提案する理事会の開催中に、法務委員長解任決議案も出たことだし、委員会は再開せずに、散会した、ということだと思います。

【衆議院本会議 同日】

 「改正水道法」(196閣法48号今国会は参先議)がついに可決・成立してしまいました。

 これに先立ち、「成育環境にある者とその保護者への切れ目のない成育医療の提供を推進する法案」(197衆法10号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。

【参議院文教科学委員会 同日】

 「特定興行入場券の不正転売禁止法案」(197衆法5号)が全会一致で可決すべきだとなりました。

 「研究開発力強化法改正案」(197衆法6号)。共産党の吉良よし子さんは「イノベーションン大事だ。しかし、大学から企業へ移すものが多過ぎる」と反対しました。共産・自由の反対、自民・公明・立憲・国民の賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 3つの議員立法。3つとも、自民党総裁選で石破茂さんを応援して干されたと観測される、谷公一・衆議院国土交通委員長が趣旨説明しました。

 「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策を総合的かつ一体的に推進する法案」(197衆法7号)が全会一致で可決すべきだ、と決まりました。但し、自由党の青木愛さんが質問して「この法案の5条には、国民の内心の自由に対する義務規定があることを懸念している」とし、自民党の盛山正仁さんが「同様の規定は他の法律にもある」と答弁しました。その後、採決で全会一致となりました。

 「建築士法改正案」(197衆法8号)も全会一致で可決すべきだ。

 「貨物自動車運送事業者法改正案」(197衆法9号)も全会一致で可決しました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 一般質疑の後、衆議院本会議を通過した議員立法が付託され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

 衆議院の富岡勉・厚生労働委員長が「成育環境にある者とその保護者や妊産婦への成育医療の切れ目のない提供の推進の法案」(197衆法10号)が全会一致で可決すべきだとなりました。2014年の「切れ目のない安全保障のための憲法解釈の再整理」による解釈改憲で、壊憲され、転落の一途をたどる、自称・アジア初の立憲国家日本。自公政権の流行語の切れ目のない、ですが、妊産婦への切れ目のない政策提供の推進法案ってなんか変ですよね。こういう八方ふさがりの会期末に超微細の下ネタを書くと、はまってしまう人がいそうですが、なんかちょっと違和感を覚えてしました。以上です。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「日欧EPA承認案」(197条約1号)と「日欧戦略的パートナーシップ協定承認案」(197条約2号)。条約1号は立国共反対、自公賛成で、条約2号は共反対、自公立国反対で、ともに承認すべし、となりました。衆議院での審議時間が4時間30分でしたが、参議院はどうも、委員会で4時間33分だったみたいです。ちょっとまだ取材していませんが、仮に、4時間33分だったとしたら、参議院自民党の改選組・選挙番が、自由貿易協定について懸念を持っているということなのかも。

【衆議院決算行政監視委員会 同日】

 立憲の海江田万里委員長が就任あいさつ。

 「平成28年度決算」が麻生太郎財務大臣から説明されました。

 会計検査院の欠員による検査官の国会同意人事は両院で了承しましたが、院長の互選が終わってい無いようで、柳麻理検査官が院長代行として、「遺族年金」「租税特別措置」「NHKの外郭団体の預貯金」などの検査結果について報告。その後、海江田委員長が「会計検査院の検査による、財務省職員の処分者のリスト」について、資料を要求することを全会一致で議決しました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】

 「北海道地震全道停電ブラックアウト」について、委員派遣をした報告。それに対して質疑がありました。北海道・本州連携線の今後に関する議論もありました。

【参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 同日】

 河野太郎外相、菅義偉官房長官、山本順三国家公安委員長のあいさつがありました。

【参議院内閣委員会 同日】

 一般質疑。

【参議院財政金融委員会 同日】 

 半年に1回の日銀報告に対して、黒田東彦総裁に対して質疑がありました。財務省・金融庁からは大臣ではなく、副大臣らが答弁しました。

●参議院経済産業委員会はありませんでした。

【参議院環境委員会 同日】

 一般質疑がありました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】

 一般質疑。

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