【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【3/26】新型コロナ特措法こんや実施へ、予算はあすの成立に向けて国会審議は順調にはこぶ

2020年03月26日 16時14分45秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]宮崎信行、きょう2020年3月26日撮影。

 新型コロナウイルス感染症に関する改正特措法が今夜にも実施されるはこびとなりました。前日は小池百合子・東京都知事が「外出自粛要請」。買い占めの動きが起きており、私も米袋を買えず、やむなく切り餅を購入しました。マスクはここ2カ月見たことがありません。前日に志村けんさんも、チャールズ皇太子も感染が報じられた見えない敵に、世界中が不安が不安を呼ぶ、異様な雰囲気となっています。

 そんななか国会=写真奥=は年度末に向けて、法案審査が続きました。

 で、きょうはまとめて書きますが、岡田克也さんは「きのうの都知事の記者会見に唐突感を持った人はいるのではないか」とし「急に感染者の数字が増えたのでその状況は分からない」と不信感を示しながらも「先週末の3連休でゆるみがあったのはたしか。引き締め効果はあったと思う。ここ1週間ぐらいが東京は要注意ではないか」と語りました。また、「特措法が動き出すので総合調整が必要になるが、(緊急事態宣言などは)知事にゆだねる立て付けになっている」とし「首長さんの役割は大事だ。東日本大震災で全国を回った時には首長でこれだけ差が出るのかなと感じた。首長は強い権限を与えられているから、その使い方も大事だ」としました。きょうの定例記者懇談会で記者団の質問に答えました。

 このほか、岡田さんは前夜の野党4党首の会合に同席しており、その中で、来月の補選では「4党首そろい踏みの街頭演説は難しいので、マイクを持って車に乗るかたちになる」との考えで一致したことを明らかにしました。

【参議院予算委員会 令和2年2020年3月26日(木)】

 「令和2年度予算案」は15日目。そのうち一般質疑は7回となりました。あす締めくくり質疑、採決を経て、本会議上程へ。

 きょうの質疑では、小西洋之さんが、横畠裕介・前内閣法制局長官の国家公安委員への同意人事は不適格だと主張。武田良太国家公安委員長は「幅広い識見を豊富な経験をいかしていただきたい」と答弁し、菅義偉・官房長官も「閣議決定前だ」としながらも、横畠さんを持ち上げました。

【衆議院本会議 同日】

 「国際金融公社IFC加盟法及び国際開発協会IDA加盟法の改正案」(201閣法10号)が共反対、自公立国社賛成多数で可決し、参議院に送られました。来週火曜日が3月31日ですが、参議院の審議の日程は、まだ見えません。

 「日本国憲法第8条の規定による議決案」は全会一致で可決し、参に送られました。天皇陛下が社会保健費で1億円ご下賜なさるようです。

 「文化観光拠点施設推進法案」(201閣法19号)。前日の委員会では野党が退席しましたが、きょうの本会議採決では、与野党とも全会一致で可決し、参に送られました。

 国立国会図書館館長の人事が全会一致で衆では了承されました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 今国会でも、7名の専門家による「アドバイザリー・ボード」が設置されました。原子力規制委員会委員長の報告の最後に「申し訳ありません」として配布した報告書の中の組織名で制度変更が未反映だったとして訂正しました。こういうのは他の役所では見かけないので、違和感がありました。

 対政府の質疑では、故森山元助役から関西電力に対する長年の不適切な金品授与で、自民党議員が分析。「関電社内で、社内の地位を奪われかねないとする貶め」を故森山元助役にされ、同助役に従わざるを得なくなった経営幹部が多かったとしました。ずいぶん変わった会社だなと思わせられました。

【参議院第一種常任委員会 同日】

 コロナによる東京や世界の混乱をよそに、予算関連法案がある6委員会が開かれました。衆参とも定例日が重なる委員会も、参議院優先で開催されました。

【参議院総務委員会 同日】

 「市町村合併特例法10年延長法案」(201閣法8号)が審議。委員長が質疑の終局を宣言し、採決は次回に持ち越して、散会しました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「在外公館位置・名称・給与法改正案」(201閣法18号)が審議され、質疑終局が宣言されました。

【参議院財政金融委員会 同日】

 「関税定率法改正案」(201閣法9号)が質疑され、質疑の終局が委員長から宣言されました。

 NHKから国民を守る党の浜田聡さんは、場違いなWHO世界保健機関について質問。厚生労働省の官房審議官が答弁しました。浜田さんがWHOのテドロス事務局長の任期前での辞任について問うと、麻生太郎副総理が「これは役人には答えられないから」とし長時間答弁。「これはどろどろした話ですよ。前の事務局長の名前を覚えていますか。中国人ですよ。あのころから、チャイニーズ・ヘルス・オーガナイゼーション、CHOとも揶揄されていて、台湾を入れさせなかった」とし不信感を共有しているとみられる答弁で場をもたせました。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 民間企業の70歳までの継続雇用を求める、「高年法や雇用保険法などの改正案」(201閣法12号)が審議されました。立憲民主党の石橋通宏さんは「私たちの抗議にも関わらずまたしても束ね法案だ」として厚労相に今後は見直すよう繰り返し求めました。この委員会だけ他の委員会とははこびが違い、質疑が与野党一巡後も、次回も法案審査を行うことにして散会しました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「家畜伝染病予防法改正案」(201閣法25号)と「養豚農業振興法改正案」(201衆法5号)。対政府質疑の後、終局が宣言されました。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「土地基本法及び国土調査法改正案」(201閣法13号)。質疑が終局しました。

 この法案には土地の所有者に管理の必要性を説く、私権をめぐる理念や定義の大きな改正条項が含まれています。

●参議院内閣、法務、文教科学、経済産業、環境委員会は開かれませんでした。

 (17時6分に加筆しました)。以上です。