【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第1次補正予算案は国会提出は4月下旬か、首相「日々の資金繰り当面のキャッシュがない中小事業者フリーランス給付」

2020年03月28日 18時55分08秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
 安倍晋三首相(自民党総裁)はきょう令和2年2020年3月28日(土)の午後6時から首相官邸で記者会見を開きました。

 冒頭発言にはありませんでしたが、最初の質疑応答で、令和2年第1次補正予算案について「この後、指示する。今後10日間程度のうちにとりまとめて、国会に提出する」と語りました。定例閣議日だけで考えると、4月7日(火)にも閣議決定したい意向とみられます。それから印刷しますので、4月中旬から下旬にかけて国会に提出されると考えられます。

 首相は記者会見の冒頭、新型コロナウイルス感染症COVID19について「不屈の覚悟でたたかう」とし「一昨日、改正特措法にもとづく政府対策本部を設置した」としました。

 そのうえで、治療薬、ワクチンについて、3つの固有名詞を明示。そのうち、「アビガンは数十例で投与され、症状の改善に効果があるとの報告がある」とし、治験の承認プロセスを簡略化して、薬の増産体制を国として後押しすることを明言しました。

 アビガンの一般名は「ファビピラビル」で、富山化学工業が特許を持っているようです。首相が固有名詞を上げて押したことを、私は高く評価したいし、世界への日本の貢献になります。日本国内からも「副作用がどうした」とのデマかどうかは分かれないけれども、いずれせよ、くだらないつまらないやっかみを発信するものもいるでしょうが、強い意思で増産してほしい。

 国は補正予算も含んだ、追加の経済対策政策パッケージについては「国税地方税の減免を含める」「文化、芸術、スポーツの力が(日本に)必要だ」「思い切って生活の給付を実施する」「リーマンショックの時を上回るかつてない規模の経済対策」を確約。比喩として「マグニチュードに見合った緊急対策をしたい」としました。

 私は幼稚園のころから、30店舗以上を持つ金融機関の本社の2つ隣に住んでいますが、50歳代の女性が不安そうにしていました。正直、2003年頃の高利貸し多重債務問題の頃の方が不安そうに目が泳いでいる人はいましたが、そういう経年変化は本人にとってどうでもいい話です。また第一種感染症指定医療機関も近距離でようすもうかがいに行きましたが、今朝は救急車が多く向かったようです。医療リソースの提供機能は余力はまだあるようにみてとれます。

 株式会社は現預金がある限りは絶対に倒産しません。私が聞くところ、いわゆるリーマンショックと呼ばれる2008年10月の世界金融危機時と比べて、企業の現預金は潤沢な会社が多いようにみられ、雇用の継続には多少は楽観的です。が、金融の知識というのは経営者によって非常にムラがあり、偉大な創業者だって資金繰りをしたくて創業した人は皆無でしょう。日本銀行や市中銀行にはたっぷりお金が死蔵されていますから、経営者の知識に限らず、プッシュ型で資金を無制限に提供する。そうやって雇用を維持すべきです。在宅勤務でなくて在宅研修でもいいくらいでしょう。そのうえで、景気の底打ちをする政府歳出の追加を考えるべきですが、第2次補正予算案までの時間にどう状況が変化するか分かりませんから、ある程度、荒唐無稽にも思えるような歳出の追加についても、一定の寛容さが財政当局にあっていいと考えます。

 記者会見では、独立系ネットメディア「ビデオニュース」を経営するビデオジャーナリストの神保哲生さん、元神奈川新聞記者で裁判関連の報道で実績があるフリーランスの江川紹子さんも質問しました。前回はフリーランスの安積明子さん、独立系ネットメディア「IWJ(インディペンデント・ウェブ・ジャーナル)」を経営するジャーナリストの岩上安見さんも質問しました。

 以上です。