【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【3/13】改正新型コロナウイルス特措法はスピード成立、内閣府の副大臣「民放も規制」は総務省との見解が違い撤回、日切れ法案採決先送り

2020年03月13日 18時16分06秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]宮下一郎内閣府副大臣、きょねん2019年2月、宮崎信行撮影。

 中盤国会突如最大の案件になった「新型コロナウイルス対策のための改正新型インフルエンザ特措法」はあっさり成立しました。

 一方、その余波もあり、政府が年度内成立を国会にお願いしている、日切れ法案の審議はほとんど進捗せず。

 例えば、金曜日の衆議院本会議で可決すれば、翌週の火曜日の参議院の委員会で趣旨説明し、木曜日に審議して可決し、金曜日の本会議で成立させられます。きょうを逃すと、月曜日は衆の委員会の定例日はありませんから、火曜日が定例の総務、農水委などで可決し、本会議に緊急上程しなければなりません。なので、きのうきょうの2日間日切れ法案の採決を逃したことで、1週間分の遅れが与党にプレッシャーとしてのしかかりました。

【衆議院法務委員会 令和2年2020年3月13日(金)】

 審議入りに先立ち、おととい、山尾志桜里さんが内閣委の横出しとして、西村康稔担当大臣のところの内閣府副大臣の宮下一郎さんを呼んで新型インフル特措法の説明を求めた際、「法の枠組みとしては、民放を指定して放送内容を変更、差し替えをしてもらうことは趣旨に合う」と答弁しました。野党国対が総務省に問い合わせたところ放送法第3条と整合せずそれは無い、との見解を得ました。これにより、宮下副大臣は答弁の撤回、謝罪に追い込まれました。今国会は他省庁との事前調整不足が散見され、霞が関キャリア官僚の真価が問われています。

 今回も「裁判所職員定員法改正案」(201閣法17号)は審議入りすらできませんでした。

【衆議院総務委員会 同日】

 「市町村合併特例法10年延長法案」(201閣法8号)の法案審査を再開しました。しかし、休憩のまま、採決は次回に持ち越して、散会しました。

【参議院本会議 同日】

 「新型コロナウイルス対策のための改正新型インフルエンザ特別措置法」(201閣法46号)は投票総数234、賛成216、反対18で可決し、成立しました。

【参議院内閣委員会 同日】

 上述の法案が、趣旨説明、参考人質疑、対政府質疑を経て、採決され、可決すべきだと決まりました。

●衆議院内閣委員会は流会しました。

●衆議院外務委員会も流会しました。「在外公館位置名称給与法改正案」(201閣法18号)は先送りになりました。

●衆議院国土交通委員会も流会しました。「土地基本法及び国土調査法改正案」(201閣法13号)は採決の公算でしたが、先送りになりました。

【閣議 きょう】

 「65歳まで定年を延長する国家公務員法改正案」がついに閣議決定され、国会に提出されました。

【来週の予定】

 週明け16日(月)朝8時55分から、テレビ入り参議院予算委員会集中審議2日目「現下の諸課題(新型コロナウイルス対策等)」があります。往復方式の計算で、7時間コース。蓮舫さん、舟山康江さんらが登場。ことしは今後補正予算案の提出が確実なので、国会中継は増えそうです。

 以上です。