【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【田村まみ】テレビ国会中継初登場「マスク不足でカスハラ自分のせいでないのに」安倍晋三「内閣総理大臣として感謝の意を申し上げる」

2020年03月16日 19時16分20秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[画像]田村まみさん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 スーパー「イオン」出身では初めての参議院議員で、UAゼンセンの組織内議員では、初めて連合系トップ当選を果たした、田村まみさんが、きょうのテレビ入り国会中継に登場しました。

 きょう現在の日本の最大の関心事はマスク不足です。マスクが無い人は、電車内でもうつむいています。

 田村さんは「きょうのここまで(7人の)質問でマスクの話が少ないので、急遽、最初に質問します。(加藤勝信厚労相)すみません。きのうも見ましたが、ドラッグストアで列をなしている人々の気持ちも十分に分かりますが、カスタマーハラスメント、無理難題で疲弊する労働者の声が寄せられています。私もスーパーで働いていたのですが、その店員が自分のせいでないのに責め続けられる。この気持ちが分かるでしょうか。配送の車につめよってその中に入っているマスクを寄越せとか、ドラッグストアの薬剤師に対して、なんでマスクをつけているんだと責め立てる。自分のせいでないのに謝り続ける従業員は疲弊している」としました。

 安倍晋三首相は「消費者のみなさまも、国民のみなさまも、こういう感染症が拡大するなかで、なんとか身を守らないといけない、大切な人の身を守らなければならない、という気持ちの中で、マスクに対する消費者のニーズの中で、ご紹介いただいたように奮闘している小売店のみなさまや、流通、製造業の関係者のみなさんに内閣総理大臣として感謝を申し上げたい」と語りました。

[写真]おそらくUAゼンセンに加盟している、輸送従事者の方のイメージ。

 参議院議員が首相からの感謝を引き出したといっても、ちょっと雲の上の話ように私も感じますが、まあ、良かったのではないでしょうか。

 イオン創業3家の一つ、岡田家の岡田克也さんは、昨夏、電機連合所属の支持者も居る中、「頼める人には自分で電話をして頼んだ」と田村さんへの投票を働きかけました。初めて候補者を立てたイオンの組合員では期日前投票に行く人が増えて、連合系初のトップ当選となりました。田村さんは国民民主党、岡田さんは無所属です。

 選挙が終わって9か月もたつのに、私、ちょっとまだ田村さんのお姿をお見受けしたことがないのですが、私自身も岡田克也さんに最も信頼されている政治ジャーナリストという看板だけで、衆議院事務局かられいわ新選組まで各所を幅広く通行できるようになるので、岡田さんの名前は絶大です。

関連記事)2019年9月20日付 


以上です。

【3/16】参議院予算委員会は集中審議に14名登場、衆議院ではあす日切れ法案処理へ

2020年03月16日 18時57分45秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[写真]参議院第一委員会室には答弁席が2つあり、こちらは政府参考人用の答弁席、3年前の2017年、宮崎信行が撮影。

 先週土曜日の首相記者会見では、フリーランスの安住明子記者と、IWJ(インディベント・ウェブ・ジャーナル)の代表である岩上安身記者が指名され、安倍晋三首相への鋭い質問がなされました。

【参議院予算委員会 令和2年2020年3月16日(月)】

 「令和2年度予算案」は10日目で、そのうち集中審議2日目「現下の諸課題(新型コロナウイルス等)」でした。

 7時間コースで、集中審議2日目ということもあり、昨夏初当選者を含めた14名が登場しました。

 そのためか、「コロナ不況対策で中小企業の救済合併の推進を」「(日教組出身の)私の声は子供の声」「日銀は利下げをしてきた」という変な発言も多かったのですが、コロナをめぐる議題は与野党ともしっかりとしたまま続きました。

 既に別エントリーで報じましたが、金子原二郎・参議院予算委員長(自民党、長崎)が「事実と異なる答弁を行った」として森まさこ法相を異例の「厳重注意」。金子委員長は「先般の委員会で、森法相が事実と異なる答弁を行ったのはたいへんいかんだ。また、離席中に記者に対応した。政府の立場にあることを留意して委員会にのぞみ、質問者に適確に答えることを要請し、委員長として厳重注意します」と発言しました。森法相は「ただいま、金子委員長から厳重注意を受けたことを重く受け止めます。このたびの私の一連の言動により国会の審議にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。3月9日の答弁は私の個人的見解を述べたものですが、検察を所管する法務大臣として検察の活動について個人的な評価を述べたことは不適切で、法務大臣としてはしっかりと事実を確認して答弁すべきだった」とし、3月9日の答弁を撤回しました。


 質疑では森法相に対して、「事実」について蓮舫さん、山添拓さんらから質問が続きました。

 春闘第一次回答は「2%未満」で連合がすすめた「消費税2ポイント増」を下回りました。UAゼンセンで初めて連合内トップで初当選した、田村まみさんが登場。選挙が終わって8か月もたったのに、筆者はまだ田村さんをお見受けしていないのですが、イオン出身では初の候補で、イオン創業3家の一つである岡田克也さんも比例代表で投票してもらうよう積極的に電話をして押し上げました。田村さんは国民民主党所属で、岡田克也さんは現在無所属です。

 田村さんは「きょうのここまで(7人の)質問でマスクの話が少ないので、急遽、最初に質問します。(加藤勝信厚労相)すみません。きのうも見ましたが、ドラッグストアで列をなしている人々の気持ちも十分に分かりますが、カスタマーハラスメント、無理難題で疲弊する労働者の声が寄せられています。私もスーパーで働いていたのですが、その店員が自分のせいでないのに責め続けられる。この気持ちが分かるでしょうか。配送の車につめよってその中に入っているマスクを寄越せとか、ドラッグストアの薬剤師に対して、なんでマスクをつけているんだと責め立てる。自分のせいでないのに謝り続ける従業員は疲弊している」としました。

 安倍晋三首相は「消費者のみなさまも、国民のみなさまも、こういう感染症が拡大するなかで、なんとか身を守らないといけない、大切な人の身を守らなければならない、という気持ちの中で、マスクに対する消費者のニーズの中で、ご紹介いただいたように奮闘している小売店のみなさまや、流通、製造業の関係者のみなさんに内閣総理大臣として感謝を申し上げたい」。

 きょうの委員会では冒頭、委嘱審査を18日(水)に常任委員会に、19日(木)に特別委員会に委嘱することを決めました。20日(金)は祝日ですので、週明けに採決の攻防になります。

【衆議院 同日】

  夕方に、議院運営委員会理事会が開かれ、あすの本会議が決まりました。

【あすの予定】

 あすは衆議院の財務金融委員会と総務委員会で日切れ法案が処理され、本会議に上程されるはこび。参議院総務委員会では即日付託まで行く見通し。

 以上です。

自民党の予算委員長が森法相に対して、異例の事実と異なる答弁厳重注意、ただし検察官定年延長は言及なく

2020年03月16日 09時28分47秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」
[画像]森法相、きょう年3月16日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「福島地検いわき支部管内の検察官は原子力災害でまっさきに逃げた」との発言について、金子原二郎・参議院予算委員長(自民党、長崎)が「事実と異なる答弁を行った」として森まさこ法相を異例の「厳重注意」。森法相は「個人的見解だ」との考えは維持しながらも、謝罪しました。とはいえ、黒川弘務さんの検察官定年延長をめぐる口頭決裁問題は言及しませんでした。

 きょう、2020年3月16日(月)の令和2年度予算案審議は10日目で、テレビ入りの集中審議は2日目(基本的質疑と合わせて4回目)です。

 金子委員長は「先般の委員会で、森法相が事実と異なる答弁を行ったのはたいへんいかんだ。また、離席中に記者に対応した。政府の立場にあることを留意して委員会にのぞみ、質問者に適確に答えることを要請し、委員長として厳重注意します」と発言しました。

 上下そろって紺ないし黒のパンツスーツと白のインナーの森法相が発言。「ただいま、金子委員長から厳重注意を受けたことを重く受け止めます。このたびの私の一連の言動により国会の審議にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。3月9日の答弁は私の個人的見解を述べたものですが、検察を所管する法務大臣として検察の活動について個人的な評価を述べたことは不適切で、法務大臣としてはしっかりと事実を確認して答弁すべきだった」とし、3月9日の答弁を撤回しました。

 ただし、福島地検いわき支部管内が「東日本大震災で検事がまっさきに逃げた」について、委員長が「事実と異なる答弁」と断定しているのに対して、森さんは「しっかりと事実を確認して答弁すべきだった」と述べただけで、事実では無い、とは言っていません。筆者は森さんに対して同情的です。

 森さんは離席中の記者対応も詫びて「一層緊張感をもって国会審議に臨み、誠実に対応する」としました。

 しかし、今回の第201回通常国会の令和2年度予算案では、衆議院で、特別法の検察庁法の定年規定は、一般法の国家公務員法の規定によって変更できると、人事院、法務省、内閣法制局が口頭で決裁して解釈を変更し閣議決定したとすることが一番問題視されており、これを見過ごしてはなりません。

 きょうは集中審議「現下の諸課題(新型コロナウイルス対応等)」。水曜日、木曜日の委嘱審査も決まりました。金曜日は祝日。地方公聴会を経て、来週には当初予算は成立の公算。しかし、すぐに補正予算案ということなり、「年金など全世代型社会保障」ではなく、「コロナショックと経済対策」が今国会最大のテーマとなりました。

 きょうのまとめ記事は、おそらく、別エントリーに書きます。

 以上です。